アーサー・コナン・ドイル北極日記5月19日・20日
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5月19日水曜日・20日木曜日
すさまじい強風が両日にわたって吹き荒れた。我々は流氷とスピッツベルゲン島の間を間切って針路をしばしば変えた。我々はウィンワード号が停まっていたり、前方にいたり、後方にいたりするのを見つけた。波はとても高くなっていて、空はとても暗くなっていた。水曜日に波をかぶって時計がずぶ濡れになった。わが旧敵である歯痛は、航海の間ずっと隠れてスコットランドから追ってきたようだ。昨日、歯痛は隠れ場所から出てきて「おお、わが敵よ、やっとおまえを見つけたのか」と言った。それから歯痛は私の1本の門歯を掴んだ。それがとてもうずいたので今日、私の顔面全体は歪んでいた。(アディソン[訳注1])。木曜日、我々は嵐の合間からスピッツベルゲン島の荒涼とした海岸を見た。数千フィートに達する巨大な黒い断崖絶壁が延々と続いていて、炭のような黒さがすべて雪で縁取られていた。すさまじい景観の場所だ。我々はキングス湾に入って投錨しようと考えているが、海図が見当たらない。歯痛。
訳注
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