マンドリカルド原典集成の作り方

さて日本での知名度が最近、一気に急上昇したマンドリカルドですが、登場する原典が日本語でほとんど読めないと言われていました。そこで私がマンドリカルドが登場する原典を集めて翻訳したわけですが、どのような手順で進めたのか簡単に説明しようと思います。

まず日本語で読める書籍から調べます。これは少ないので調査はすぐに終わりますね。次は日本語に翻訳されていない原典があるかどうか調べます。ではどうやって調べるか。

もちろんGoogle検索は使います。ただそれだけでは足りません。そこでシャルルマーニュ伝説や『恋するオルランド』、『狂えるオルランド』に触れた研究書を購入します。イタリアやフランス、スペインそれぞれの国の事情をまとめた研究書があります。どのような研究書があるかは図書館の目録などを確認するとわかります。

研究書が届いたら数々の原典の中でマンドリカルドが登場しそうな作品を選びます。ネット上で公開されていない場合は実際に購入して確認します。そして翻訳する必要がある場合は注釈書を購入します。注釈書を探す場合もGoogle検索は有用ですね。

最後は注釈書を参考にして日本語に翻訳します。翻訳するには当時のイタリア語を解析するために必要な辞書などを一通りそろえます。注釈書がない場合は原典をまず翻刻する必要があります。翻刻して原文を確定してから翻訳します。

このようにデジタルとアナログの両方を活かし、目的に沿って体系的にリサーチします。Google検索はあくまで補助ツールであって、Google検索でなんでもわかるわけではありません。

このようなリサーチは慣れれば誰でもできるようになります。専門的な教育を受けて習得するのが最も近道ですが、独学でも習得できます。もちろん今からでも。

大事なことはまずは先行研究をもとにして頭の中に全体像を描き、それから詳細を詰めていくことです。道筋さえ明確にすれば迷うこともなく非常に効率的ですし、道がないその先に行く時も途中まで楽ができます。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

サポートありがとうございます!サポートはさらなる内容の充実によって読者に100パーセント還元されます。