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アーサー・コナン・ドイル北極日記6月26日

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6月26日土曜日

1日中、暗い見通しだったが、急に見通しが明るくなった。1日中、何も発見できず、私は[午後]10時頃に船室に降りた。その時、私は甲板で騒ぎが起きているのを聞いた。メインマストから「中央の2隻のボートを降ろせ」と叫ぶ船長の声が聞こえた。私は航海士の船室に駆け込んで急報を伝えた。コリンは服を着ていたが、二等航海士はシャツとズボンを手に持ったまま甲板に駆け上がった。私が昇降口から頭を出した時に最初に見たものは、水面から頭を出したクジラが撃たれて、大きな「スコーン[ 訳注1]」の向こう側で跳ね回っている光景だった。深緑色の海面にはほとんど波がなく美しい夜だった。乗組員たちはボートに飛び乗った。当直の船員たちは[銛撃ち]砲に火薬を詰めて準備を整えた。それから彼らはボートを出した。2隻の長い捕鯨用のボートは、一方の舷側を氷に、もう一方の舷側を互いに向けながら木製の脚[ 訳注2]を使って這って行った。クジラが40ヤード[36m]先の正面に姿を現した時、カーナー[のボート]はまだそこまで到達していなかった。クジラはほぼ全身を水中から投げ出して飛沫を上げながら跳躍した。「さあアダム、今だぞ」という叫び声が船上で見守っている者たちから一斉に発せられた。しかし、白髪頭の日焼けした銛撃ちのアダム・カーナーはよくわかっていた。クジラの小さな目が彼に向けられた。ボートは後方にある氷のようにほとんど動かずに遊弋していた。今度は「体勢を変えるぞ。尾ビレをあっちに向けるぞ。漕げ、おまえたち、漕げ」[とカーニーは言った]。ボートが氷[の背後]から突出したらクジラは何の準備もせずに潜ろうとするだろうか。そうした疑問が全員が心に浮かんだ。彼はクジラに近づいた。クジラは動かずにじっとしていた。さらに接近した。今、彼は[銛撃ち]砲をかまえてオールを置いた。彼は「3撃だ、おまえたち」と口の中で噛みタバコをもぐもぐしながら言った。それから発射音と海面の泡立ち、そして叫び声があり、カーナーのボートに赤旗が立った。銛綱が楽しげにしなった。

撃たれたからといってクジラは簡単に捕まるようなものではない。[ユニオン・]ジャックがボートに掲げられると、船上で「降下」の合図が出て、「銛を撃ち込んだ」ボートを支援してクジラが再び姿を現した時に動きを止めるためにさらに6隻のボートが降ろされた。私は航海士のボートに乗り込んだ。我々は漕いで前進した。クジラは繰り出された銛綱の半径、すなわち3マイル[4.8km]から4マイル[6.4km]以内のどこかにきっと出現するはずなので、我々の7隻のボートはかなり広大な領域に散らなければならなかった。5分経過、10分、15分、20分、そして25分後、二等航海士のボートとレニーのボートの間に獣は出現した。彼らはクジラに向けて発砲して仕留めた。クジラはとても小さく、体長約40フィート[12m]、ヒゲは4フィート1インチ[訳注3][124cm]、200ポンドから300ポンドの価値だ。我々は万歳三唱してクジラを船に手繰り寄せた。クジラにはびっしりと大きな寄生虫がついていた。そのせいでクジラは水中で常軌を逸した行動を取ったようだ。クジラから脂肪を除去して収納するのに午前3時までかかった。作業の間、私はマストの上の見張り台に登って他にもクジラがいないか見回したが、見当たらなかった。午前6時就寝、12時起床。

訳注

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