アーサー・コナン・ドイル北極日記4月24日
⇒目次
4月24日土曜日
一日中、我々は北西に向かって汽走している。 ケワタガモ[訳注1]の群れを見つけた。雄は黒と白、雌は緑の頭に青銅色。さらに17頭のアザラシの幼獣を捕獲。我々は成獣からそれほど遠くない場所まで来ているはずだ。航海士の船室で愉快な夜を過ごす。今日の[私の]獲物はなし。朝、ボクシングの練習をした。ジミー[訳注2]に[ボクシングを]教えてやってチップを取ってやろう。
我々の中で最も腕が良い銛撃ちであるハルトン[訳注3]と動物学的に興味深いことを話し合った。彼は、ケベックとリバプールの間で強風が吹き荒れた時、水面に2匹の魚が横たわっているのを見たと言っている。それらは体長約60フィート[18m]もあり、まさに豹のように全身に斑点があった。未知の種。船長は別の種と緯度68度で遭遇した。皮が非常に厚かったせいでいかなる銛もそれを貫けなかった。北部のクジラに関する一覧表をここに示す。
ホッキョククジラ:正しくはグリーンランドクジラ。10トンから20トンの油が取れる。骨は1トン当たり1,000ポンドで売れる。1頭の価値は1,500ポンドから2,000ポンド。極北の氷原の間で見つかる。
ナガスクジラ:数百頭単位であらゆる海で見られる。 ホッキョククジラよりも大きく強力だがあまり価値がない。体長120フィート[36m]に達するものもある。尖った脊梁。[ナガスクジラの]噴気孔は二つあるが、普通のクジラ[の噴気孔]は一つしかない。
トックリクジラ:流氷の南やアイスランド周辺で見られる。体長30フィート[9m]しかない。1トンの油が取れる(80ポンド)。皮に価値がある。
シロイルカ(ベルーガ):ウェストミンスター・アクアリウム[訳注4]を含めてどこででも見られる。
セミクジラ:希少種。船長は1頭しか見たことがない。貴重。時々、アメリカ人はセミクジラをノース岬沖[訳注5]で捕獲していた。
ハルトンのクジラ:(Balaena variagutum[訳注6])
グレイ船長のクジラ:(Balaena ironsidum[訳注7])
訳注
ここから先は
¥ 100
サポートありがとうございます!サポートはさらなる内容の充実によって読者に100パーセント還元されます。