フロンティアの戦士―第11章 ブレイディ保安官の殺害
※ジョージ・コー『フロンティアの戦士』に関する詳細は『ビリー・ザ・キッド史料アンソロジー』についてでまとめています。
ビリー・ザ・キッドは無駄な自慢や賭けをしなかった。その夜、ヘンドリー・ブラウン、フレッド・ワイト、ジョン・ミドルトン、そして、 ジム・フレンチとともにビリーはリンカンに入った。それから彼らは、タンスタールの店を囲む日干し煉瓦の壁の背後に隠れた。ブレイディ保安官が3マイル[4.8km]離れた牧場から事務所に通うを毎日の習慣にしていると彼らは知っていた。ブレイディがリンカンに留まった機会に事件は起きた。彼らはそこで待ち伏せしていたが、時間通りにブレイディが来なかったので、アイク・エリスおやじの家まで1人の男を派遣した。その男は酔っ払って町で銃撃をするようなふりをした。罠はまるで魔法のように効果を発揮した。マクスウィーンの一味の1人が町外れにいて酔っ払って大騒ぎしているとブレイディに誰かが告げた。
ブレイディ保安官、ジョージ・ハインドマン保安官補佐とビリー・マシューズ巡回裁判所事務官が騒動が起きている場所を確かめようと走り始めた。ブレイディ保安官は、ビリー・ザ・キッドを首謀者とする反乱が起きそうだという警告されたので4月に定期で開廷されると予定だった裁判所を開廷するつもりはないという言葉をブリストル判事から受け取ったので、[本当に反乱が起きたかどうか確認するために]仲間たちに現場に向かうように伝えた。
「判事は、席上で殺されるかもしれないのに今、開廷しようとするのは悪魔さえやろうとしない大胆な所業だろうと感じている。おまえたち、この小さな騒動を片付けたら郡庁舎の周りを固めて判事の命令に従って法廷を開いたり閉じたりしよう。私は奴がずる賢い奴だとわかっている。あの小さな牛泥棒の悪魔、ビリー・ザ・キッドは日ごとに図々しくなる。彼は絞首刑にまっしぐらに向かっているが、私が望むようにはすぐにはそうならないだろう」
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