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『ロラン夫人回顧録』第二部③

父は[教区の]役職から退いた。祖母の家で過ごす期間が終わりを迎えた。私は愛する母のもとに戻った[P注:1767年5月中旬のことである]。美しいサン=ルイ島の地区を離れるのを私は残念に思った。夏の夕べに私はアンジェリークおばさんとともに静かな河岸にある心地良い通りへ[新鮮な]空気を吸いに行って穏やかに流れる川や遥かに向こうの景色を眺めた。敬虔な気持ちを抱きながら祭壇の足元に参集するために教会に行く時に私はこの川辺の道を通ったが、閑散とした道には私の瞑想を妨げる物に出会うことはほとんどなかった。陽気な母のおかげで家はとても魅力的な場所になっていた。私は家で幸せで穏やかな日々を過ごした。母に愛情を抱いていたせいで私は母と離れなければならなくなった時に泣いてしまった。母の優れた性質の影響はより強くより際立ったものになった。これまで私はほかの誰かと比較することで母が劣っていると思うことはなかったが、今は[母の欠点もわかるようになって]困惑を感じている[この一文は訳出が難しくJohnson版とShuckburgh版の英訳を参考に訳出した]。

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