ヴァルシエコ『恋するオルランド』(1514)解説
※ほかのエントリーと重複している部分があります。紙書籍では整理して収録する予定です。
ラファエレ・ヴァルシエコ・ダ・ヴェローナはアゴスティーニ『恋するオルランド』4巻に続く形で『恋するオルランド』5巻を1514年に刊行した。またピエルフランチェスコ・ド・コンティ・ダ・センティーノがヴァルシエコの5巻に続く形で6巻を1515年から1518年に刊行した。両者の5巻と6巻はアゴスティーニの5巻および6巻とは別に刊行されたものである。1537年の記録によると、7巻が刊行された可能性が示唆されるが、その詳細は不明である。
ヴァルシエコ『恋するオルランド』5巻はウルビーノ公に捧げるという形式で書かれた。全18歌から構成されている。アゴスティーニ『恋するオルランド』5巻がわずか数ヶ月後に刊行されたせいでほとんど売れなかったと考えられる。そのためアゴスティーニ『恋するオルランド』がさまざまな版で出版された一方、ヴァルシエコ『恋するオルランド』は1514年版と1518年版しか出版されていない。確認できる現存数は前者が1冊、後者が2冊である。本書は大英図書館所蔵の1518年版を底本としている。あらすじは以下のとおりである。
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