フロンティアの戦士―第23章　ビリーの人生の終わり

※ジョージ・コー『フロンティアの戦士』に関する詳細は『ビリー・ザ・キッド史料アンソロジー』についてでまとめています。

ビリーの個人的な法との最初の接触は、インディアン管理局の事務官であるバーンスタインの殺害の容疑でラス・クルーセスで裁かれ無罪放免された時のことである。

その頃、私は二重義務を負っていた。それは西部で使われている言葉であり、ある者が一つ以上の仕事をしている時に使う。その一方、ビリーは準州の北部で歴史を作っていた。この話は私のフロンティアの経験に関する話だったので、私が関わったビリーの人生について紹介するだけにとどめてきた。しかし、ビリーの最後の日々について読者がもっと理解できるようにするために、リンカーン郡戦争の終結からブレイディ保安官の殺害の容疑でビリーが逮捕されるまでの間に起きた出来事をちょっとまとめておきたい。

パット・ギャレットとキッドは友人であった。事実、彼らが神様であったことは議論の余地のない事実であった。彼らは同じような言葉を話し、2人とも活発で気さくな男であり、カウボーイであり、モンテ賭博の腕を競い、酒場で気前良く払った。キッドとその一味を屈服させるためにギャレットが保安官に選ばれたことは重要な機会であった。こうした出来事の変転はビリーにほとんどを希望を与えなかった。ビリーは、自分に残された時間が短いと悟っていたが、最後の最後まで勝負するつもりだった。あらゆる男たちの中でギャレットが最も内部の事情に明るかった。「両雄並び立たず」と諺にもある。ビリーがいつも警戒していた一方、パット・ギャレットはいつも追跡していた。

クリスマスの日、ギャレットはキッドを待ち伏せするためにフォート・サムナーに向かった。ギャレットは、祭日なのでキッドがそこに来るに違いないと考えていた。ビリーは多くの女性と浮名を流したが、噂によればビリーが本当に愛している女はフォート・サムナーにて、そこでビリーはクリスマスを過ごすつもりだったようだ。ギャレットとその一団は、クリスマスの夜にキッドがやって来るのを待つ間、身を隠しながらモンテ賭博をやっていた。ビリーは巧みな計略を使って彼らを避けた。ビリーは、町から1マイル[1.6km]ほど離れた場所に一味を残すと、別の道を使って町に入った。ギャレットとその一団は、急速に接近する馬蹄の響きを聞いた。そこで彼らは外に走り出て、騎手たちに向かって発砲した。彼らは、キッドの最も忠実な共犯者であり友人であるオフォラードを殺害したが、キッドは再び一時的な隠れ家に逃亡してしまった。ビリー・ウィルソン、トム・ピケット、デイブ・ルダボー、そして、チャーリー・ボウディーがリリーに合流してすばやく撤退した。一晩中、雪が静かに降っていた。