フロンティアの戦士―第22章　ビリー・ザ・キッドとの最後の別れ

※ジョージ・コー『フロンティアの戦士』に関する詳細は『ビリー・ザ・キッド史料アンソロジー』についてでまとめています。

翌朝、ビリーと別れた時、私はこれが最後の別れになるとは思っていなかった。我々は悲しそうに握手して二度と会うことはなかった。ビリーは私に一緒に来てほしいと頼んだが、私の答えは決まっていた。

私は「いいや、ビリー。俺は今は一緒に行けない。もしこれまでよりも良い運命に巡り会えなかったら、いつか俺はおまえとともに俺たちが受けた不正に対して復讐しよう。でも俺はもっと良いことがしたいんだ」と言った。

[中略]。

親戚から心から歓迎された我々は、精神的に暗闇から光の中へ踏み出して、平和的な市民として居場所を得た。[中略]。そこでのあらゆるものは我々が後に残してきたものとまったく違っていた。これまでの数ヶ月の恐怖は消え去った。ただ夜になると私の考えは昔のリンカン郡に戻った。昔のリンカンは魅力と可能性をはらみながらも忘れがたい悲劇があった。キッドとその仲間たちの運命はどうなってしまったのか。この質問が私に絶えずつきまとった。というのは私は心の中で青年たちのことを気がかりにしてて、時間が経っても解消されなかったからだ。

[中略]。

このような健全な環境で過ごすうちに私の心境は変化して、フランクと私がどれだけ幸せ化キッドに手紙を書いて知らせなければならないと思うようになった。私は手紙に次のように書いた。

「君たちが更生したいと思ってリンカンを去れば、きっと邪魔されることはないだろう。君が喜んで生活様式を変えようとしていて、仲間たちの前で更生しているところを見せるべきだと思う」