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ジェロニモ自伝―第4部 新しきものと古きもの 第20章 アパッチ族の不文法

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目次

[この章でジェロニモはアパッチ族の社会制度や慣習についてさまざまなことを語っている]

裁判

あるインディアンが彼の部族の構成員によって不正行為を受けた場合、もし彼が個人的に揉め事を解決したいと思わない場合、彼は族長に不服を申し立てる。もし彼が自ら侵害者と対決できず、不服を申し立てることを潔く思わない場合、彼の代わりに誰でもこうした行為について族長に伝えることができる。そのような場合、調査や裁判が必ず実施される。原告と被告の双方が証言者となる資格が与えられ、彼らの証言はいかなる質問によっても妨害されないが、この問題に関して彼らが言いたいことをただ述べるだけである。証言は誓約を必要としない。部族民に関する問題について彼らが虚偽の証言をするとは考えられないからである。

部族の族長はこうした裁判を主宰するが、深刻な侵害の場合、族長は2、3人の指導者に同席を求める。これらはただその男が有罪か否かを決定する。もし彼が無罪であれば、それでその件は終わりである。そして、不服を申し立てた側は個人的に復讐する権利を剥奪される。というのはもし彼が自分自身で復讐しようと望めば、彼はそれを妨げるような裁判をこばまなければならないからである。もし被告が有罪になれば、侵害を受けた側は罰を決定する。一般的に罰は族長とその同席者によって認められる。

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