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アーサー・コナン・ドイル北極日記4月30日

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4月30日金曜日

南風と靄がかかった空という悪い予兆で朝が明けた。今日までにアザラシ猟を開始しなければならなかったので我々は少し意気消沈し始めた。靄が晴れた後、北東に汽走。大量の湾氷で水面は湖のようになっている。たくさんのアビ[訳注1]やウミツバメ[訳注2]がいる。お茶の時間の少し前、我々は前方に厚い氷を発見した。反対側でアザラシが見つかるのではないかと期待した。これまで水中に1頭も[アザラシを]見ていなかったので私はやや懐疑的だった。今、夜は昼のように明るい。真夜中でも私はチェンバーズ・ジャーナル[訳注3]を容易に読める。明日は5月1日[訳注4]なので今夜はグロッグ[訳注5]が振る舞われた。氷は捕鯨にちょうど良いように見えた。午後10時、私はアザラシが氷上にいる様子がないと思った。だから我々はアザラシの北側にいるのだという結論に至った。「母さん、僕もそう思います」。一般的に彼らは5月1日に新参者の髭を剃る。ボートの舵取りが私に言うには、今夜、私が犠牲者になるそうだ。そうするには番兵を2人くらい呼んでくる必要があると私は彼に言った。たとえ徹底的に攻撃されても私は番兵を全員甲板に追い出せるし、騒ぎを楽しめるだろう。私は彼らがどんなお楽しみを仕掛けてくるか真夜中まで待つだろう[訳注6]。

訳注

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