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アーサー・コナン・ドイル北極日記3月26日

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3月26日金曜日

寒さが続いている。今日は[華氏]17度[訳注1]、夜間は[華氏]20度[訳注2]。氷原の隙間が埋まって安全に歩けるようになればありがたい。 汽力を最小限に。航海士は、隙間が見えないくらいアザラシが固まって横たわっていると言っている。[18]55年[訳注3]よりも数が多く、その年は50隻が出猟したが、全船が獲物でいっぱいになった。今、我々のもとには23隻いるが、全船が見込みは明るいと語った。大きな障害があっても我々はそれを乗り越えるだろう。禁猟期の規定はすばらしいものだが、[解禁を]待つのは大変なことだ。哀れな生き物は子供を産む前にたいてい殺されてしまう。 今日、エクリプス号がクマを狩った。我々の船の近くの雪上にクマの足跡があるのを我々は見つけた。もし窮地に陥らなければクマは臆病な生き物だ。船長はボートの鈎棹[訳注4]でクマを殺した。技師は、数マイルにわたってクマがどのように乗組員を追ってきたのか、そして、クマの注意を引くために乗組員が次から次へ物を投げたせいで船に到着した時にはほぼ裸になってすっかり怯えていたと私に語った。イギリスの博物館には、胎児の標本を除いて立派なクジラの標本がない。今日、アザラシの幼獣が乳を飲んでいるのを見た。ステュアートとボクシングして手を傷つけた。年上のキース[訳注5]の歯を詰めて、年下のキース[訳注6]の腸の不調を治療した。家族総出の日のようだ[訳注7]。

訳注

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