アーサー・コナン・ドイル北極日記5月18日
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5月18日火曜日
ボートを清掃して捕鯨業に備えて準備した。昼食の間、北西の方角に1隻の船が見えた。距離が近くなってよく見てみるとそれはウィンワード号だとわかった。我々はウィンワード号がエクリプス号とともにトックリクジラ漁のために南にいるものだと思っていた。帆桁全体を裏帆にしてウィンワード号を待った。マレーがとても気が滅入る話を告げにやって来た。アザラシの幼獣猟において彼は1日かそこらで半トンを捕獲して我々の従事していた作業がたいしたものではないと思えるほど自信満々になったが、クジラを追ってスピッツベルゲン島に向かってみたところ、1頭のアザラシの成獣も捕獲できなかったという。彼の自信過剰のおかげで今、我々[の捕獲量]が52トンである一方、彼[の捕獲量]は約28トンだ。彼はここに3週間もいたが、1匹の魚も見なかった。 クジラ漁に関して彼は非常に意気消沈するような説明をした。私の考えでは、おそらく彼はズキンアザラシを追跡しようとしている。夜、我々にとって最もまずい方角である南西から強風が吹いた。
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