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第45章 ロベスピエールの死

 ロベスピエールの権勢はほぼ終わりを迎えようとしていた。反動が起きた。独裁者に対抗する者たちは一致団結してロベスピエールの打倒と死を画策し始めた。まずロベスピエールは、平原党と呼ばれる国民公会の少数派に属するダントンとデムーランの友人たちをその使命の遂行に関して個人的に攻撃したことで敵に回した。彼のスパルタ人のような清廉さを求める姿勢、彼の教条的で断固たる話し方、彼が得た権威、彼の野心、そして公正と人間性を傷つけることを厭わない態度は敵意と憎悪を駆り立てた。自由だけではなく命が危険にさらされたと想定する権利を持つ場合、あらゆる者が容赦のない敵意という共通の基盤で結集する。

 タリヤンはロベスピエールの仇敵であった。彼は守るべき命が二つあった。すなわち自分の命と愛する女の命である。愛する女は、ガバリュスという銀行家の娘のフォントネ夫人でロベスピエールの命令で逮捕された。全山岳派は、三巨頭の打倒という一つの共通の目的で団結していた。ロベスピエールについて言及する時、クートンとサン=ジュストも弾劾の対象に含められた。タリヤンの煽動によって、ロベスピエールに反感を抱く者たちは日ごとに連帯を強化した。しかし、ロベスピエールはとても恐れられていたので、公然と攻撃を試みる者は誰もいなかった。長い間ずっと嵐が吹き荒れることはなかった。時にはロベスピエールの敵たちが勝利できるのか疑わしくなることもあった。しかし、熱月9日、嵐が吹き荒れた。その勢いがあまりに強かったために、独裁者はほとんど何も言えずに追放された。ロベスピエール、サン=ジュスト、クートン、そしてルバの逮捕が発令された。

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