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グリーン『狂えるオルランド』第ニ幕

第一場 マルシリウスの城の近く

[中略:アンジェリカがメドロとともに歩いている。グリーン『狂えるオルランド』ではメドロは単なる脇役でありアンジェリカの恋人ではない。アンジェリカはマルシリウスがサクリパンテと手を組んだと知って驚く。メドロは、マルシリウスが必ずしもサクリパンテを信用していないとアンジェリカに伝えて安心させようとする。サクリパンテが登場してアンジェリカへの愛を告げる。アンジェリカはオルランドへの愛を貫きサクリパンテを拒絶する。サクリパンテは、オルランドのような余所者を愛したせいで戦乱が起きたとアンジェリカを非難するとともに、アンジェリカを手に入れるためにはオルランドを殺害するしかないと確信する。アンジェリカが去った後、サクリパンテは臣下とともにアンジェリカとオルランドの仲を裂く策を考える。すなわち、アンジェリカとメドロの名前を木に刻んでわざとオルランドの目に入るように仕向けるという策である。さらにサクリパンテは、羊飼いに化けてアンジェリカとメドロが不倫しているとオルランドに吹き込むように臣下に命じて退場する。サクリパンテの策にはまったオルランドはアンジェリカの不倫を信じて狂気に駆られる。場面は変わり、サクリパンテの臣下がまるシリウスにオルランドが狂気に陥ったと伝える。不倫に怒ったマルシリウスはアンジェリカから王女の地位を剥奪して追放するように命じる]

1人の兵士が身をやつしたマンドリカルドを連行して登場する[おそらくマンドリカルドはメキシコに向かって出港する前に捕らえられ、正体を隠していると考えられる]。

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