ビリー・ザ・キッド、最後の日々―第10章　チザムとの決着

※第1章から読む

同じ[1879年]11月19日、まさに偶然に我々はいつものようにボブの居酒屋にいた。我々は何杯か飲んでいて、ビリーは我々と一緒にいた。ビリーの仲間たちもいた。リリーの仲間たちはストーブの近くでピチェ[テーブル上で玉をはじく遊び]をやっていた。メキシコ人たちはビリーと一緒に飲んでいた。ビリーはジョークを話す天才であり、英語と同じくスペイン語でもそれをうまくこなした。ビリーはアメリカ人よりもメキシコ人と一緒にいることを好んだ。我々はビリーのジョークに笑った。その時、我々は郵便馬車の騒音を聞いた。すでに暗くなっていてとても寒かった。

我々がまったく予期していなかったことに、老いぼれチザムが郵便馬車の御者とともに入って来た。老いぼれチザムが入って来ると、ビリーは彼だとわからないくらいに変化してしまった。老いぼれチザムは入って来て、ビリーの仲間たちがいる場所を見通した。そこには両トマスとビリー・ウィルソン、チャールズ・ボウディー、デーヴィスと ルダボーがいた。カウンターに姿を現した直後、彼はアメリカ人たちがいる場所に向き直った。彼は我々メキシコ人には何の注意も払わなかった。彼はアメリカ人たちを呼んで「おまえたちこっちに来て飲め」と言った。