ビリー・ザ・キッド、死の真相―第3章 フォート・サムナーの偵察
※『ビリー・ザ・キッド、死の真相』に関する説明は「はじめに—コンテンツ紹介」にまとめています。
フォート・サムナーでは私は知られていないということで意見が一致した。その一方で他の2人はそこにいたし、ギャレットはそこに数年間住んでいた。私がその場所に偵察の目的で潜行して、我々の追跡の助けとなるような情報をできる限り集める一方、その他の2人は日中、砂丘で身を隠すことにする。夜までに私が彼らのもとに帰れなければ、暗くなってからフォート・サムナーから4マイル[6.4キロメートル]ほど離れた事前に打ち合わせした場所で会う手はずを整えた。
計画を実行するために、翌朝、私は仲間たちと別れて町へ行った。そこに私は10時頃到着した。その当時、フォート・サムナーには200人から300人の住民がいて、そのほとんどが先住民、もしくはメキシコ人であった。その場所にはアメリカ人はせいぜい10数人しかいなかった。その大多数が荒くれ者であり、キッドに同情していたが、残りの者たちは彼を恐れていた。
私が町に入った時、私はあらゆる方向から見られていることに気づいた。私が立ち止まって居酒屋を併設した店舗の前に馬を繋いだ直後、大勢の男達が周りに集まってきて、どこから来たのか、いったいどこへ向かうのかなどと私に質問し始めた。私はできる限りありえそうなでっち上げで答えた。すなわち、 ホワイト・オークスの鉱山で働いていたが、昔、住んでいたパンハンドルへ向かう途中だと答えた。
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