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『騎士道の鑑』第87歌

あらすじ

舞台はタタールの王国に移る。アグリカーネ王の死がタタールに伝えられる。父の死に心乱れたマンドリカルドは臣民に対して暴虐なふるまいに及ぶ。アグリカーネとその父の2代にわたって仕えたという老人が現れてマンドリカルドに諌める。老人の言葉に心動かされたマンドリカルドは父の仇を討つことを決意して王国から武器も持たずに単身出奔する。その途中、アルメニアでマンドリカルドは花が咲き乱れる谷間で天幕を見つける。天幕の中に入るとみごとな武具が置かれていた。武具を身に着けたマンドリカルドは旅を再開しようとしたが、燃え盛る炎に阻まれる。マンドリカルドが泉の中に身を投げて炎から逃れようとしたところ、1人の乙女が現れた。乙女は、ヘクトールの武具を獲得するために試練に挑戦するようにマンドリカルドに求める。マンドリカルドは挑戦を受け入れる。乙女はマンドリカルドに武具を身に着けさせる。それから2人は連れ立って試練の場に向かって馬を走らせる。

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