フロンティアの戦士―第14章　悲しい話

※ジョージ・コー『フロンティアの戦士』に関する詳細は『ビリー・ザ・キッド史料アンソロジー』についてでまとめています。

境界地帯ではしばらく事態が沈静した。青年たちは行動に駆り立てられた。その時までに我々は、隊長のディック・ブルーワーの遺体がどうなったのか知らなかったし、彼の死後、何が起きたのか詳細も知らなかった。

ある日、キッドは「ジョージ、俺たちはそこに行ってかわいそうなディックが何をされたのか確認しなければならない。おまえは手の治療の気晴らしが必要だろう。だから俺たちはおまえを隊長にする」と私に言った。

その時、我々の中で3人か4人だけがキャンプに残った。ビリーは怪しい集落に教えるには数が足りないと考えた。彼は6人から8人のメキシコ人を連れてきた。メキシコ人とともにヘンリー・ブラウン、ビリー、そして、私が一団を形成した。

我々はインディアン管理局に向かった。我々の目的地から1マイル[1.6km]ほど離れた場所で道路が丘を縫って鬱蒼とした森の中を通っていた。開けた渓谷の反対側に清冽な水が湧く泉があった。水を汲みに行って私の負傷した手に当てた布を湿らせたいと私は言った。メキシコ人たちは行きたくない様子だった。そこで私は彼らにそこに残るように言った。キッド、ヘンリー・ブラウン、そして、私が泉まで行った。ビリーは馬から飛び降りると、水を汲もうとした。私をヘンリーはまだ馬に乗っていた。その時、我々のメキシコ人がいる方角から連続して銃声が聞こえた。それはまるで戦いが進んでいるかのように聞こえた。騒音に驚いたビリーの馬が飛び跳ねて管理局の方角に走り去った。ビリーは私の馬の後ろに飛び乗った。我々は仲間のもとに死に物狂いで走った。深い森の中から突然、銃声が再び聞こえた。雹のように銃弾が我々をかすめた。我々は馬に身を伏せてメキシコ人がいる場所まで何とかたどり着いた。