『悲劇―タメルラン大帝』第5幕
[中略:アーセイニーズがアスティリアと再会して喜びを分かち合う。そこへアブダラが闖入してタメルランの命令で反逆者を捕らえに来たと言う。アーセイニーズは引っ立てられて退場する。独り残されたアスティリアはアーセイニーズを追う決意を述べると退場する]
手に短剣を持ったイスペイシアの亡霊が眠っているマンドリカルドを脅かす。
亡霊:偉大なる天のおかげで私の魂はようやく安らぎを得た。天は無辜なる者の絶望を捨て置かない。王子よ、汝に復讐するために私は遺恨を抱く影として送り込まれた。汝の時ならぬ破滅を願って。アラーが汝の良心の呵責を示されるだろう。そして恐ろしい汝の罪が明らかにされるだろう。汝は怒りで狂乱し、悲しみでうめき、思い悩んで正気を失うだろう。毒殺者よ、決して自力では戻れぬ地獄の中で焼かれるがよい。
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