ロビン・フッドの武勲④
第三篇から続く
第四篇
代官はノッティンガムに戻った。代官は立ち去れたことを喜んだ。その一方、ロビンと愉快な仲間たちはすぐに森に向かった。
「さあ食事にしよう」とリトル・ジョンが言った。「だめだ」とロビン・フッドが言った。「私は聖母マリアがお怒りではないかと恐れている。というのは聖母マリアは私のお金をまだ取り戻してくださっていない」
「ゆめゆめ疑いなされぬように」とリトル・ジョンは言った。「日はまだ沈んでいません。騎士さまは誠実で信じられる方だと俺は断言します」
「おまえの弓を手に取れ」とロビンは言った。「マッチとともに行け。ウィリアム・スカーロックも連れて行け。私とともに残る者はいなくてよい」
「セイルズに歩いて行って、ワトリング街道に出ろ。そこで見慣れぬ客と出くわすまで待っていろ」
「使者であれ、面白話のうまい男であれ、もしその者が貧しければ私の財産を少し分けてやるとよい」
それから緑の外套をまとって鋭利な剣を帯びたリトル・ジョンは、半ば腹立たしく半ばあきれながら出発した。
彼らはセイルズに赴いた。自由民はすべてで3人。彼らは東を見て西を見たが、人の姿を見つけられなかった。
しかし、彼らがバーンズデールの方角を見ていると、それぞれ良い乗馬にまたがった2人のベネディクト派[529年頃に聖ベネディクトがイタリアで創始した修道会]の修道士が街道沿いにやって来るのが見えた。
リトル・ジョンはマッチに向かって言った。「命を賭けてもよいが、修道士たちは俺たちにお金を持って来たに違いないぞ」
「さあお楽しみだ」とリトル・ジョンは言った。「イチイの弓を構えろ。気をしっかり保って弦をぴんと張れ」
「修道士には52人もお供がいて、駄馬が7頭もいる。司教でもこんな王侯のような豪勢な列を組めないだろうよ」
「おまえたち、ここには俺たち3人しかいない」とリトル・ジョンが言った。「もし俺たちが奴らを食事に連れ帰らなければお頭に合わせる顔がない」
「弓を構えろ」とリトル・ジョンが言った。「奴ら全員を止めるんだ。先頭の修道士の生死は俺の手の内にある」
「待て、そこの売僧」とリトル・ジョンは言った。「おまえはこれより先に行けぬ。もしおまえが進もうとしたら、崇拝する神にかけて、おまえの死は俺の手の内にある」
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