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第41章 シャルル=アンリ・サンソンの日記

 我々は暗黒の空の下で生きてきたが、雲の切れ目が見えてきたようだ。18日、ロベスピエールが演説をした。それは本当に巧みなものだった。おそらく彼が心から語っていたからだろう。その演説の後、ゴベルの棄教とそれに続く猿芝居に喝采を送ったまさに同じ議員たちが、フランス国民は最高存在の実在と魂の不滅を認めるという法令を公布した。多くの人びとは、我々が法律によって規定したこの善良な神を嘲笑っている。しかし、苦悩している者たち、敢えて言えば私もその中の1人だが、そうした簡明な文言に少し救われた気がしている。最高存在の実在を宣言することは、正義に立ち戻ると誓約することである。正義こそが最高存在の法であるからだ。すぐにその時が訪れることを私は国民公会の神にまず祈ろう。本日、8人が処刑された[仏文原注:徴税請負人のジョゼフ・サン=ジェルマン・ド・ヴィルプラは[花月]19日の罪人たちと同じ罪状である。旧高等法院参事のラングロワ・ド・レシーの未亡人のマリー=ルイーズ・ペリカール・ド・ノワンヴィは亡命貴族と通謀したことで有罪になった。ル・マンの参事会管理教会の元参事会員のL=P=F・ルクワントル、サン = ポール小教区教会の元助任司祭のA=L・デムソー、フィユ=サン=トマ・ダカン修道院の元修道女のA・デマレとA=C・オベール、仕立て屋のG = B・ゴワイヨンは人民を煽動して、内戦を誘発して、政府を打倒して、王権復古を助長する陰謀を企てたことで有罪を宣告された]。

花月23日[5月12日]

 昨日、私が捧げた祈りは聞き入れられなかったようだ。新しい助手を我々のもとに送るという報せが市民フーキエから届いたからだ。囚人たちが監獄で騒いでいるといったことや囚人たちを片付けなければならないといったこと、そして囚人たちが共和国を打倒する陰謀を練っているといったことが噂されている。私にとってそれは特に驚くべきことではない。コンシェルジュリを見れば、他の監獄で何が起きているか容易に推測できるからだ。あらゆる場所に密偵が送り込まれている 。密偵の仕事は囚人たちに話させることだ。密偵は自由を取り戻せるという希望で囚人たちを煽り立てる。それは簡単なことである。なぜなら今日では自由になることと生きられることは同義だからだ。ふと漏らした一言、一縷の希望、ちょっとした悪態で兄弟面をした者は不運な者たちを告発することでお金を稼ぐ。外に出てギロチンから逃れたいという当然の願いは大掛かりな陰謀へと姿を変える。私は16人[の助手]を集めた。何よりもぞっとすることは、我々が手掛けていることがまるでそれがずっとそのまま続いていくかのように完全に組織化されていくことだ。人員の半分は公判が終わるまでずっと外出禁止になる。女の身繕いは看守の詰め所で必ずおこなうようにする。執行官たちは順番に革命広場に行かなければならず、書記課にいる職員の気まぐれで誰が行くか決めないようにする。それは騒がしい議論を引き起こしていた。最後に検事は、罪人たちを点呼した後、慎重に再集合させるように我々に命じた。本日処刑されたのは、王政復古を助長したことで有罪になったモンタルジの元主任司祭のジョゼフ=ディディエ・ヴォワルロ、ジャン=バティスト=バンジャマン・ランベール、旧伯爵のアンリ・ド・ラスティック、パリ税務署通信課長のピエール・ラクレ、ショーモンの法曹家のノルベール=フランソワ・ボクネ、農夫のアルフォンス・トマッサン、トマッサンの妻のアンヌ=カロリーヌ=フェリシテ・マンダ、元財務省出納長のジャック・フーゲレは敵との通謀、内戦の煽動、国民公会の名誉を貶めたことで有罪になった。

花月24日[5月13日]

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