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《詩》山頭火の随筆
山頭火の随筆が
私を救ってくれるような気がした
空虚な自分を見つめて
寂しさを抱きしめて
心の草原に寝転んで、青空を見る
涼しい風が吹き始める処暑に
病室の中でのらりくらり
随分前に買った
山頭火の随筆集を読む
少し読んでは栞を挟み
溜息をついては一休みして
自由律の句が心に染み入る
そのうち句の本が欲しくなって
財布を逆さにしてみるが
音の鳴る銭が僅かに落ちるのみ
寂しさ、貧しさ、それらを身に浴びて
山頭火も同じものを味わったと
勝手に思い、自分を鼓舞して
足るを知るとして、今あるものに感謝する
寂しさも貧しさも皆、友として
秋風に吹かれて行く旅路