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草露 文(あや)
2024年5月24日 04:19
「よぉ兄ちゃん。あの少女に会ったんだろ?」 青年が町の宿に戻ると、宿屋の店主が話しかけてきた。何故この店主は、青年が少女と会ったことを知っているのか。不思議に思いながらも返事を返した。「ケイラのことですよね。会いましたよ」「だろうな、コートの裾が切れてるぜ」「え?」 コートの裾を見ると、まるで切り刻んだかのような切れ目が残っていた。店主が話を続ける。「あの黒服の少女はな、死神なんだよ。