見出し画像

Filecoin Plus:ストレージプロバイダーがどのように認証されたクライアントと関連をもつのか

Filecoin Plusは、Filecoinネットワークに社会的信頼というレイヤーを追加することによって、有効なストレージの提供や、認証されたクライアントとの取引を促進します。詳しくは [Filecoin Plus docs]を参照してください。これは、September 2021 Filecoin Virtual Community Meetupで行われたプレゼンテーションの要約です。これからの会合を見逃さないため、ぜひ[Filecoin Meetup Community]に参加してください。

Filecoinは、ブロックチェーンネットワークとして誰もがデータを保存するために使用するロバストな分散型プラットフォームを提供しています。ネットワーク上のストレージプロバイダーは、どれほど信頼性の高いストレージを提供したかに基づいて、ブロック報酬を受け取ります。

Filecoinがサポートできる有効なストレージの量を最大化するために、社会的信頼というレイヤーを提供するFilecoin Plusが導入されました。新しいリソースとしてDataCapを利用しているクライアントはストレージプロバイダと取引を行い、ストレージプロバイダもブロック報酬におけるシェアを増やすため、このようなクライアントのデータを保存しようとします。

コアメカニズム

ルートキーホルダー、公証人、クライアント、ストレージプロバイダーは、DataCapの割り当てとその使用を通じて相互に作用します。公証人はコミュニティガバナンスを通じてDataCapを申請し、ルートキーホルダーと協力してDataCapの交付を受けとり、それをクライアントに割り当てることができます。クライアントは、ストレージプロバイダーとの取引に際して、DataCapを展開していきます。

DataCap

これはFilecoinネットワーク内のリソースで、公証人から信頼性のあるクライアントへ渡すものです。これらのクライアントはDataCapを使って、取引価格に基づいて(FILに加えて)ストレージの取引を行います。DataCapは「シングルユース・クレジット」であり、使用されると同時に消費されていきます。

現時点では、DataCapをクライアントのアドレス間で転送することはできません。公証人から特定のクライアントのアドレスにのみ転送できます。ストレージプロバイダーは、DataCapを使った取引を提供することで、ネットワーク上で特別な報酬を得ることができます。

ストレージプロバイダーのインセンティブ

ストレージプロバイダーは、ネットワークに提供したストレージに応じて報酬を得ています。ストレージプロバイダーの収益は、かれらが提供する密封セクターの量と質の両方に影響を受けています。これらのブロック報酬に加えて、追加収入として、実際にクライアントのデータを保存することで獲得できる取引価格も得られます。

さらに、検索頻度が高いような有効性のあるデータは、より多くの収益につながります。検索数が多くなると、ライアビリティーも多くなるが、取引価格で相殺できます。

Filecoin Plusプログラムでは、ストレージプロバイダーは、認証されたセクターのQAP(Quality Adjusted Power)が10倍になり、認証されていない取引の場合と比べて、ブロック報酬を獲得する可能性が高くなります。このプログラムでは、クライアントの審査が行われているため、ライアビリティー面のリスクは全体的に低くなります。

取引の規模に応じて、DataCapを受け取るには3つの方法があります。Github経由の認証には、verify.glif.ioが即時の自動認証機能のプロセスを提供しています(そのため、Githubのアカウントが必要です)。承認されたら、32GiBのDataCapが提供されます。これは、Filecoinを初めて利用するクライアントや、最大限の取引を試したい新規ストレージプロバイダーにとって、有用な出発点です。

ほとんどのクライアントは一般的な認証方法を選んでいます。クライアントは、個別のFilecoin Plusの公証人と協力して、最大50TBのDataCapの割り当てをもらえます。必要なデューデリジェンスは、公証人とクライアントによって行われます。

個々の公証人は、デューデリジェンスのために何を求めるか、どのようなプロセスを採用するかを決定します。場合によって、特定の地域でのみ、あるいは特定の業務分野に関連するデータのみを扱うこともあります。

最後に、PiB規模の非常に大規模な割り当て取引については、公証人のFilecoin Plusコミュニティ全体に申請書が出されて、割り当て取引とシーリング取引、およびそのデータソースの監査と審査が行われます。これは、経時的に割り当てられた大量のDataCapを獲得するためのものです。

これらの申請のなかの一部が承認され、取引に割り当てられていきます。また、最大20件の申請が同時に審査することができます。

ストレージプロバイダへの働きかけ

ストレージプロバイダーとして、どのように認証済みのクライアントを見つけいきますか?ストレージプロバイダーの一覧表があり、そこにはストレージプロバイダーが自分の連絡方法、場所などクライアントの検索や比較のための手がかりとなる情報を記入することができます。一覧表のリンクは、Filecoin Plus Registryで、ここはクライアントが認証申請を開始する場所になります。

ストレージプロバイダー一覧表に書き込むには、Filecoin Plus Client Onboarding repoのminer.mdマークダウンファイルを編集して、プールリクエストで提出しなければなりません。それ以外の情報はStorage Provider Tableに記載してあり、そのなかの評判スコアはFilecoin Reputation Systemから入手できます。

また、ストレージプロバイダーがマーケティングやアウトリーチができるFilecoin Slackチャンネルもあります。#fil-plus#fil-deal-marketです。これらのチャンネルには、幅広いかつコミュニティに深く関与する視聴者層を持ち、様々な種類のアナウンスメント、質問、開発中のツール、ストレージプロバイダーを見つけたいクライアントからの質問など、多くの内容が含まれています。

今後の改善点

これからも、マーケティングやビジネス開発の機会を改善・増加させ、認証済みクライアンとストレージプロバイダーとの間、より良い取引の仲介を行うことが重要です。

「ストレージプロバイダーのアウトリーチのオプトイン」というプロセスが発足しました。クライアントは公証人に申請を出す時に、潜在的なストレージプロバイダーからのアウトリーチコミュニケーションを受け取りたいと希望することができるようになります。プロバイダーは、すでにDataCapを確保し、取引を開始する準備ができている申請者を簡単に検索することができるようになります。これにより、ストレージプロバイダーが認証済みのクライアントを見つけ出すメカニズムが増えていきます。

今後も、Filecoin Plusプログラムの改善にご期待ください。

Filecoin Plus: How Storage Providers Can Engage with Verified Clients

次の一歩

Filecoin Plusコミュニティに行って、Githubのイッシューとディスカッションに参加しましょう。そこには多種多様なクライアントオンボーディングリポジトリやFilecoin Plusプロジェクトのリポジトリがあります。特に、2週間ごとに行われるガバナンスコールに参加することもできます。Filecoin Plusガバナンスリポジトリには次のコールのお知らせや、今後のコールの予定が入っています。前述のSlackチャンネルは、コミュニティがあらゆる質問に答えてくれる最高の場所になります。

こうして最初のステップを経て、近い将来、あなたも認証済みクライアントとのつながりを築くことができるようになるでしょう。