あまり初心者向けとはいえないD&D用語解説
ベーシックルール「第6章:カスタマイズ用オプション」にて形だけ触れられている、「マルチクラス」と「特技」について、簡単に解説してみました。
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マルチクラス
普通はクラスは、最初に決めたもの以外を得ることはできない。
しかしDMが許可するなら、2レベル以降、最初のクラス以外のクラスのレベルを上げることもできる。
これをマルチクラスという。
クラス・レベルはそれぞれについて記録する。
キャラクター・レベルは、各クラス・レベルの合計となる。
例:バーバリアンで1レベルを始めたキャラクターが、次のレベルでローグ・レベルを上げたなら、バーバリアン1/ローグ1となり、キャラクター・レベルは2として扱う。
マルチクラスをするには、各クラス毎に能力値の制限があり、条件に満たないとそのクラスを取ることはできない。
hpは、それぞれのクラスから得られたものの合計になる。
習熟については、そのクラス1レベル時に得られるもののうち、一部を得ることができる。
クラス特徴は、一部(PHBにて要確認)以外は普通に使用可能。
呪文スロットだけは特殊で、各呪文クラスレベルを合計したものを元に、特別な表から算出される。
強いマルチクラスについて
…まあ私、そこまでマルチクラス試した事ないので、かなりエアプ発言になるんですが、それでも良ければ参考までに。
D&D5版は基本的に、1つのクラスを伸ばせば伸ばすほど強くなるので、1〜2レベルでも強いクラス特徴を持っているクラスをサブでかじって、あとはメイン1本伸ばしが良いと思われる。
以下、サブで少数レベル噛ませても強いと思うクラスを、私が知っている限りでいくつかチョイスして紹介する。
ウィザード(占術系統)
2レベルで予見。要所でダイス目を弄れるのは強い。
ウォーロック
1レベルでヘクス呪文。ボーナス・アクションが余っている前衛クラス向け。
クレリック(一部)
1レベルで重装鎧習熟+ヒーリング・ワード呪文。手数を増やすため戦の領域か、回復力を上げるため生命の領域か。
バーバリアン
1レベルで激怒。ダメージ抵抗は単純に考えるとhpが2倍になるようなもの。
2レベルで捨て身の攻撃・危険感知。攻防共に強化。
安定した防御を得たいなら、3レベルまで上げてトーテム戦士(熊)を取る。
パラディン
2レベルで戦闘スタイルと神聖なる一撃。呪文クラスの潤沢な呪文スロットと合わせると、使える回数が本職より多くなる。
ファイター
1レベルで戦闘スタイル。キャラクター・レベル1で取れば鎧習熟も。
2レベルで怒涛のアクション。呪文クラスと合わせれば、呪文2連射できる。
マルチクラスの注意点
4レベルから5レベルに上がる時、どのクラスも一気に強くなる(2回攻撃、3レベル呪文など)。
マルチクラスをしていると、この時1人だけ成長が遅れるので、そこをどう乗り越えるかが課題となる。
特技
基本的に、クラス・レベルが4の倍数になると、能力値どれかを2点(修正値+1点分)上げられるのだが、これの代わりに特技を1つ得る事ができる。
よって、建前としては特技1個=能力値修正1点くらいのバランスに調整してある…はずなのだが、中には明らかに「これ強すぎね?」というのもあったりする。
特技の性質については「カスタマイズできるクラス特徴」と考えればよい。
強い特技について
以下、ヤバそうだと感じる特技を、私個人の趣味でいくつかチョイスして紹介する。
《癒し手》
hp回復リソースがバカみたいに増えるクッソヤバい特技。
マス系呪文やヒールが出てくる高レベルになると戦闘中の回復としてはやや物足りなくなるものの、依然回復リソースとしては有効。
《大業物の使い手》
条件付きで追加攻撃を得られ、さらに命中にペナルティを得る代わりにダメージ+10とかできるロマン特技。
高レベル帯だと、これがないと火力不足というくらいヤバいやつ。
《強運》
1日3回、d20を振り直せるとかいう、ヤバい特技の中でもブッチギリでヤベー奴。
自分の攻撃ロールだけじゃなく自分への攻撃も振り直せる、ダイスの目を見てから振り直せるなど、どう見てもインスピレーションの上位互換。
《クロスボウの達人》
微妙装備だったハンドクロスボウを、オートマチックサブマシンガンに変貌させるヤベー特技。
接近されても普通に撃つ事ができるという、オマケにしては強すぎる効果もついてくる。
《射撃の名手》
遠隔武器版《大業物の使い手》。
追加攻撃こそないが、長距離射程によるペナルティなし、遮蔽によるペナルティ無視と、代わりというにはエグい能力が付いてくる。
《重装備の達人》
5版でなくなったはずの「ダメージ減少」のルールを、法則無視して取り入れてくるヤベー特技。
非魔法の攻撃にしか効果がないものの、低レベル帯では恐ろしく固くなる。
《追加hp》
レベル毎にhpが増える、単純に強い特技。
《長柄の使い手》
石突で追加攻撃できる上、機会攻撃範囲に入ってきた時点で機会攻撃できるようになるというつえー特技。
手数が鬼のようになる。
…他にも、「一見地味だけど取るとクソヤバい」系の特技も多い。
特技の注意点
とまあ、導入するとかなりキャラクターが強くなるルールだが、先程上げたように4レベルにならないと得ることができないので、まぁそこでバランスが取れてる…とも言える。
また、能力値+2を犠牲にするわけで、特技ばかり取っていると主要攻撃がいつまで経っても成長しない…という事態にもなる。
が。
これには唯一例外があり、選択ルールのヒューマン(p21)は1レベルでこれを得ることができる!
代わりに能力値上昇は「好きな2種類を+1」と少なくなるんだが、釣り合い取れてない程に強い。
…私は(選択ルールヒューマンでなく)オリジナルヒューマンをD&D5版で実際に見た事ないです。
それくらいには、絶滅危惧種になっている。