デザイン・プロデュース基礎〜神戸研修
2019年8月16日〜17日。
待ちに待った神戸での基礎研修。
意気揚々と神戸の地に降り立った。
神戸新聞本社。久しぶりの神戸に、胸も高まる。
ここで、どんな経験ができるのか!?
エレベーターで一緒になった素敵な女性。
細長い会場には、長机がたくさん並んでいて、席がほぼ埋まっていた。
資料が置いている席にどうぞ、ということで、講師から近い前列のグループに入れてもらった。
名刺交換をして、受講生の幅の広さに驚く。
デザイナーは少数派。
中小企業診断士。
化粧品会社社長。
経営者。
MBA取得者。
会場奥には、支援機関の経営支援員、金融機関関係者などなど。
神戸会場の講師の先生は、京都で伝統工芸を世界に発信する
京都唯一の和傘の老舗、日吉屋の5代目社長、西堀 耕太郎氏。
100ページを超えるテキストを2日間で消化するという、かなりハードな内容。
でも!
これまで現場で感じてきたいろんなことの答え合わせ的な部分。
新たな発見や気づきもあり。
そして何より、優秀な周囲の受講生に対してちょっぴりジェラシーを感じた2日間でもあった。
グループセッションや発表も多く、学びを共有して深化させていく。
西堀氏の経験則からきた、伝統工芸を現代に受け入れられるデザインへの昇華や販路開拓でのご苦労は、とても勉強になった。
ある日、日傘に和紙を貼る作業をしていて、和紙を通して透けて見える太陽光の美しさから、「照明に使えるのではないか?」という発想を得て、そこから和傘の照明の商品開発に打ち込んだエピソード。
新商品の販路開拓に、商談会、展示会に出向くも評判は良いけれども、全く契約に結びつかない悔しさを何度も重ね、現代のニーズに合致しない、自己満足の技術屋になっていたことを反省して、職人としての誇りを一旦片隅に置いて、目線を変えたものづくりへの転向。
パリでの出展。そこでの失敗と経験。
続けることで積み重ね、見えてきた伝統工芸の新たな可能性。
引き込まれるようなお話ばかりだった。
そして、それらのお話を元に、テキストの課題をグループでディスカッションする。
独自性、共感性、主体性を備えているか?
デザインは、「課題解決」ではあるけれど、
マーケット・インから更に推し進めて、ネクストマーケット・インへ。
すなわち、顧客の視点・ニーズを取り入れながらも、他社が真似できない独自性を備えた商品・サービスを市場に展開していくことを目指すこと。
顧客の潜在的なニーズを掘り起こすこと。
「見えてなかった」問題を提起する力が必要なのだ。
これって、デザインの現場で、クライアントが気づいていない自社の課題をヒアリングや対話を通じて、「宝探し」のように掘り当てる作業と似ている。
私1人でもできない、クライアントの社内だけでも着地できない。
支援者と支援される側のコンビネーションだからこそできる貴重な時間だと思っている。
それのスタートラインを引き直した感のある神戸研修だった。
そして研修二日目へ、続く。。。。