羊の国と日本と寿司と 【留学10か月目】

ニュージーランドに来て、10か月になった。いよいよ2桁月突入(?)で、さすがにそろそろNZ初心者です優しくしてください><みたいな猫のかぶり方が難しくなってきたような気がする。 ….気のせいか。甘えんな。

さて、10か月もこの国にいれば少なくともなんというのだ、留学フィルター?とでもいうのか、スーパーに郵便局におしゃれなカフェに大学に、挙句の果てにはその辺の道草でさえ、なんだってキラキラ見える、見えてしまう夢のようなフィルターもめっきり剝がれてしまった。

日照時間は長すぎて体おかしくなる(北海道出身)だし、日差しは強すぎるし、衛生感覚は違うし、時間は守らないし、パンイチでランニングしているおじちゃんは居るし(今日見た)。
あんなにキラキラ見えていた外国の可愛い標識や看板だって、意識外の存在へと驚きの変貌を遂げた。

そんな中でも異国の地で少しずつ、
自分にできること、できないこと、実はできないと思っていたけど意外とできたこと、本気を出せばできるけどどう考えてもコスパが悪すぎること…
いろんな”素の自分”にひたむきに向き合いながら、
ゆっくりと地に足をつけて、大木のように、ゆっくりと根を張ることができはじめているような気がする。 


そんな中、最近思うことがある。
別に日本って思ったより悪くないのでは?と。
日本のニュースやSNSを見ていると、”増税”、”物価高”、”過労死”、”性消費”、”男女差別/格差"。もちろん、どれも我々にとって切っても切り離せない重要な問題ではある。

重要ではあるのだが、やっぱりなんだかんだ生きやすい国なのではないかと。なぜならば、英語ができなくてもなーんにも困らないのである。

日本に住んでいてこれを読んでいる人々にとっては、いまいちピンと来なくても無理はない。
適当に学校行って、Youtubeみて、アニメみて、時々マックカラオケ。
ライフステージが変われば多少の変化はあるものの、どこにも英語が介入する隙はない。(と思う。)

しかしながら、ニュージーランドで出会った人々中には、一定数英語を勉強”せざるを得ない”人々がいる。この差は大きい。
この記事の言いたいことのフォーカスが分散してしまうので、若者向けに絞って言うと、"シンプルに治安が悪い" ”高等教育が母国語で受けられない” ”母国語で享受できる娯楽がそこまでない” など。

私は英語が好きで、人が好きで、世界で戦えるための国際的な教養感覚と専門性を学ぶために来た。英語が好き ”だから” 来た。
そんな私にとって、この事実は本当に衝撃的だった。

(もちろん、お金と時間を失ってリスクを背負わずともこの事実に気が付くことはできる。だが、私はシンプルにアホなのだ)

正直、そこまで日本の制度が好きではなかった。
将来は海外でのんびり過ごそう♪♪なんて高校時代はよく考えたものである。
だがしかし、この国にはどこを探しても格安カラオケも、1皿100円のおいしいお寿司も、ちょっと1000円2000円払えばいろんな体験ができる娯楽施設もない。(あるけど、法外に高いしバリエーションがない)


今はもう違う。悲しきかな、やっぱり人は生まれ育った祖国を恋しく感じるものなのだろうか。


先述の通り、日本だっていろんな課題がある。
日本が完璧だ!日本万歳!🗾🗾みたいな偏ったことを言いたいわけではない。日本に住むことが正解ではないのかもしれない。
だけれども、日本に住むことが現状”最適解”に限りなく近く、我々は恵まれているんだなと最近改めて強く思う。

お寿司、ラーメン、焼き肉、いっぱい食べよう。
アニメ漫画、いっぱい見よう。
コンビニ、ありがたく使おう。

我々は、決して見落としてはならない。

”母国語で全てを賄うことのできる有難さ”。


….この上に胡坐をかくこともまた許されるべきではないのだが。









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