プレイリストの文脈
卒コンを前に思い出を包装した。
後輩に音楽の浜辺で生きているような女の子がいて、
その子から「(サークルの僕らの代との)思い出ミュージックを聴いて、ギュっとしてます」とメッセが飛んできた。
たぶん「いいな、それ」と口から漏らした時には、既にプレイリスト作りに取り掛かっていたと思う。
そういえば、しばらく音楽を聴いて"あのころ"の思い出に浸るみたいなことをしていなかった。音楽を聴かない日はないけれど、日々のBGMとして聴いているのがほとんど、その時は"これから"のことを考えている。気分をあげたり、目を覚ましたり、何かの準備のために聴いてる。今の僕にとって音楽は、前の方向にベクトルを向けるための記号なんだろう。
だから、こういう形のプレイリストをつくるのは少し懐かしく、新鮮だった。4年間で印象的だったシーンを振り返りながら、その時聴いてた曲を洗い出した。楽しい、辛い、気持ち良い、孤独な、ウキウキした、気持ちを編み直した。いや、編み直したではないな、毛玉をとってあげて、毛並みを整えた。文脈を這わせた。そして、最後に好きな色の表紙をつけた。
素敵な人たちに出会えた。興味の幅が広がった、好きなだけ掘り下げられた。
たぶんマイナスになった経験は一つもない。
凄く充実した時間だった。
それに浸るための34曲
あぁ、ずっとギュっとしていたい。