ECサイト構築の選択肢:楽天市場 vs Shopify
はじめに
皆さん、こんにちは。ネットショップの運営を考えている方へ、楽天市場とShopifyのどちらが自分に適しているか悩んでいませんか?
私は2019年に楽天市場へ出店してから5年以上が経ち、最近はShopify パートナーとしても活動を始めました。実際の経験を通じて感じたことや、どちらのプラットフォームがあなたに合っているのかをお伝えしたいと思います。
ネットショップを始める際には、どのプラットフォームを選ぶかが非常に重要です。特に、日本市場で人気の高い楽天市場と、グローバルに展開しているShopifyの違いについて理解することが、成功への第一歩となります。楽天市場は国内最大級のECモールとして知られ、多くの日本の消費者に親しまれています。一方、Shopifyは世界中で利用されているグローバルなECプラットフォームで、近年日本でも急速に普及しつつあります。これらのプラットフォームは、それぞれ異なる特徴と利点を持っており、選択にあたっては慎重な検討が必要です。
楽天市場の最大の強みは、その巨大な顧客基盤と知名度です。国内最大級のECモールとして、多くの日本の消費者に利用されており、集客力が高いのが特徴です。また、楽天市場側が提供する様々な販促ツールや広告サービスを活用することで、効果的なマーケティング活動を展開できます。しかし、楽天市場には高額な月額費用や手数料、デザインの自由度の制限といったデメリットも存在します。また、近年の楽天ポイント制度の改悪により、一部の消費者離れが懸念されています。
一方、Shopifyは低コストで高機能なECサイトを構築できる点が最大の魅力です。デザインの自由度が高く、多数のアプリやテーマを活用することで、独自性の高いオンラインストアを作ることができます。また、を海外への販売を視野に入れている店舗様にとっては、多言語・多通貨対応や越境EC機能が大きな利点となります。ただし、Shopifyは楽天市場のような巨大なユーザー基盤を持たないため、集客はGoogle広告を打つなど自社で行う必要があります。
それでは、楽天市場とShopifyの詳細な比較と分析に入っていきましょう。これから初めてECサイトを立ち上げる方はもちろん、既存のECサイトの移行を検討している方にとっても、本記事が適切なプラットフォーム選択の一助となれば幸いです。ECサイトの成功は、適切なプラットフォームの選択から始まります。
結論
結論からお伝えすると、以下のようになります。
これから集客をはじめる方。オリジナル性を重視しないお店は楽天市場が最適です。
ある程度のSNSフォロワーがおり、独自ブランドの構築やグローバル展開を視野に入れている場合はShopifyが適しています。
モール型と独立型
楽天市場とShopifyの大きな違いを理解するためには、「モール型」と「独立型」の違いを知ることが重要です。楽天市場は、百貨店のように多くの店舗が集まる「モール型」のプラットフォームです。一方、Shopifyは、個人商店のように自分だけのオンラインショップを持つ「独立型」のプラットフォームです。
モール型ECプラットフォームは、複数の出店者が一つの大きなオンラインショッピングモール内で商品を販売するタイプのプラットフォームです。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどが代表的な例です。百貨店に出店するような感覚で、消費者が多く集まる場所で販売するため、集客が比較的容易です。また、有名なプラットフォームでの出店は消費者に安心感を与え、決済や配送などのシステムも標準化されているため運営が比較的容易です。しかし、売上の一定割合を手数料として支払う必要があり、デザインの自由度が限られ、競争が激しくなるという制約もあります。
一方、独立型ECプラットフォームは、個別の事業者が独自のドメイン(URL)で運営するオンラインストアを構築するためのプラットフォームです。Shopifyの他、Base、Wixなどが代表的です。個人商店のような感覚で、デザインや機能を自由にカスタマイズでき、ブランドイメージの構築がしやすいのが特徴です。また、売上に応じた手数料は発生せず、固定の月額料金のみで運営が可能です。しかし、自社で集客戦略を立てる必要があり、初期投資や運営の複雑さが課題となります。
それぞれのメリット、デメリット
楽天市場のメリット
巨大な顧客基盤:楽天市場は日本最大級のECモールであり、数千万人の会員を抱えています。これにより、新規出店でも多くの潜在顧客にアプローチできる可能性があります。
高い信頼性:楽天市場は多くの日本の消費者に親しまれており、そのブランド力は新規出店者にも信頼性をもたらします。
充実した販促ツール:楽天市場は、ポイントキャンペーンやクーポン、セール情報の配信など、様々な販促ツールを提供しています。これらを活用することで、効果的な販売促進が可能です。
SEO対策の優位性:楽天市場全体のSEO対策が強力なため、個別の商品ページも検索エンジンで上位表示されやすい傾向があります。
決済システムの安全性:楽天市場の決済システムは安全性が高く、消費者も安心して利用できます。また、楽天ポイントの利用も可能です。
集客:楽天原資によるテレビCMや定期的なSALEの開催により、楽天が集客をしてくれます。
楽天市場のデメリット
高額な費用:出店料、月額費用、システム利用料、決済手数料など、様々な費用が発生します。特に売上が増えるほど、手数料の負担も大きくなります。
激しい競争:多くの出店者が存在するため、同じカテゴリーの商品を扱う店舗間で価格競争が激化しやすい傾向があります。
デザインの制限:楽天市場のガイドラインに沿ったデザインが求められるため、ブランドイメージの表現に制限があります。(最近ではAmazonのように背景を白抜きにしないといけない場合もあります。)
顧客データの制限:顧客情報は楽天市場が管理するため、直接的なマーケティングに制限があります。
楽天市場への依存:売上の多くを楽天市場に依存することになるため、楽天市場の方針変更などのリスクがあります。
入金サイクル:入金までに約2か月と遅く、売上があるのに入金が間に合わず黒字倒産の可能性があります。
Shopifyのメリット
低コストでの立ち上げ:初期費用が不要で、月額料金も比較的低額から始められます。また、売上に応じた手数料も楽天市場と比べて低めです。
高いカスタマイズ性:豊富なテーマやアプリを活用することで、独自性の高いオンラインストアを構築できます。
グローバル展開のしやすさ:多言語・多通貨対応や越境EC機能が充実しており、海外展開を視野に入れた事業に適しています。
柔軟な機能拡張:4000以上のアプリが用意されており、必要な機能を必要なときに追加できます。
モバイルフレンドリー:すべてのテーマがモバイル対応しており、スマートフォンからの購入にも最適化されています。
統合されたマーケティングツール:SEO、ソーシャルメディアマーケティング、メールマーケティングなどの機能が統合されています。
入金サイクル:Amazon決済を利用することで最短2週間での入金が可能です。ビジネスは「入金は早く、支払いは遅く」が鉄則です!
Shopifyのデメリット
集客の難しさ:楽天市場のような巨大な顧客基盤がないため、自社で集客戦略を立てる必要があります。(Google広告を打つ必要があります。)
日本語対応の制限:一部の機能や翻訳に関して、まだ日本語対応が完全ではない部分があります。
決済手段の制限:日本の主要な決済手段すべてに対応しているわけではなく、導入に工夫が必要な場合があります。
カスタマイズの複雑さ:高度なカスタマイズには専門的な知識が必要で、外部の専門家に依頼する必要が生じることがあります。
システムの運用管理:自社でサイト運営を行うため、サーバー管理やセキュリティ対策に一定のリソースを割く必要があります。
楽天ポイントの改悪
楽天市場の大きな特徴の一つとして、多くのユーザーに利用されている楽天ポイント制度があります。これまで、楽天ポイントは購入者にとって非常に魅力的なインセンティブとなっており、楽天市場での購買意欲を高める重要な要素でした。しかし、最近のポイント制度の変更(いわゆる「改悪」)は、多くの消費者や出店者に影響を与えています。
ポイント付与率の変更やポイントキャンペーンの縮小、ポイント利用の制限が行われた結果、購入者にとってのメリットが減少しています。これにより、楽天市場の購買意欲が低下し、一部の店舗では売上が減少する可能性があります。実際に出店者仲間の間では売上が前年より30%程減少したと言っています。また、出店者にとっては、ポイント制度の変更に伴い、マーケティング戦略の見直しが求められます。ポイントに依存しない形での顧客獲得やリピート促進策が必要となり、コストの増加が収益性に圧迫をもたらすリスクもあります。
入金サイクルについて
ECサイト運営において、入金サイクルも重要な要素です。資金繰りを円滑にするためには、売上の入金タイミングが事業運営に与える影響を理解しておく必要があります。
楽天市場の入金サイクルは、売上が確定してから約2ヶ月後となっています。これは、売上が発生してから実際に手元に資金が入るまでの期間が長く、特にキャッシュフローが重要な中小企業にとっては資金繰りの難しさを伴うことがあります。このため、急な資金需要に対応するための準備が必要です。
一方、Shopifyの入金サイクルは非常に迅速で、通常は注文が完了してから約2週間で入金されます。さらに、ShopifyはAmazon決済を導入しており、これを利用することでさらに迅速な入金が可能です。この短い入金サイクルは、特に事業の初期段階や急成長期において、資金繰りをスムーズにする大きな利点となります。
それぞれの比較
以下の表で楽天市場とShopifyの主な特徴を具体的な数字と詳細な内容で比較します:
楽天市場の料金プラン
楽天市場の料金プランは以下の通りです:
Shopifyの料金プラン
Shopifyの料金プランは以下の通りです:
まとめ
楽天市場とShopifyは、それぞれ異なる強みを持つECプラットフォームです。選択にあたっては、自社のビジネスモデル、目標、予算を十分に考慮する必要があります。
楽天市場は、日本国内での即時の売上拡大を目指す場合に最適です。巨大な顧客基盤と高い信頼性により、新規出店でも多くの消費者にアプローチできます。しかし、高額な手数料やデザインの制限、楽天ポイント制度の変更による影響など、考慮すべきデメリットも存在します。
一方、Shopifyは、低コストで高機能なECサイトを構築できる点が最大の魅力です。高いカスタマイズ性と柔軟性を持ち、独自ブランドの構築やグローバル展開に適しています。短い入金サイクルも大きな利点です。ただし、自社での集客戦略やサイト運営のリソース確保が求められるため、一定の初期投資と運営能力が必要です。
ここまで、いかかがでしたでしょうか。
最後にもう一度まとめると・・・
「お金がかかっても安定的にしたい」という方は楽天がおススメです。
「ある程度SNSフォロワーもいて、独自性を出したい方」にはShopifyがおススメです!
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今後もEC運営やWebデザインについての情報を発信してきます!
それでは、次の記事でお会いしましょう。
A bien tot !
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