第445回 稲葉曇
【雨は毎日は降らないらしいけど】
https://www.youtube.com/watch?v=M8ZGGCqJduU
https://www.youtube.com/watch?v=DeKLpgzh-qQ
ボカロP、稲葉曇。
代表曲「パスカルビーツ」、「うつしあそび」、「ツクリカケノ心」。
最新アップロード曲「ロストアンブレラ」。
枯れていく空の足跡を追い掛けている。
期待はずれの天気予報を毎朝ループするように眺め、音を刻んでいる。
アタリは一か八か、辺りは秘密を隠すように、覆い尽くす。
溜め息を一つ零して、雲は雫を零す。
最期まで気づけなかった、花が開く前に僕のこと見つめていたきみのこと。
一つ足りない花壇の端、翻したスカート哀しみが滲みて、重い。
湿った空気は喉を突き刺して、声を殺した。
この方を知ったきっかけは、原曲ではなくて「ロストアンブレラ」のrei siroseさんの歌ってみたを聞いたところからでした。reiさんの歌声と色気と曲の世界観がすごくピッタリで、こんな歌詞を書ける人は他にどんな曲を作るのだろうかという興味から色々聞いてみました。
名前からして、男性でも女性でも取れるので性別はどちらかはよくわかりませんが、繊細な方だと思います。天気(特に雨)に何かを重ねて、思い出したり、思いを馳せたり、それに感情が揺れ動くなんて、周囲に感覚というか感性を鋭く、心をゆるく解放していないと出来ないことなんじゃないかなあ、と。気が張っちゃってると、周囲に目を配ることもなくて、自分自己愛自己中心で視界が埋まっちゃうじゃないですか。でもその中で「自分」を忘れずに、忘れられないようにしているというか、うっすら漏れる心の声みたいなものが誰にとっても正解で正義っぽくて、そうだよなあと頷ける部分が多いです。
ちなみに「パスカルビーツ」はヒトリエ好きな人に聞いて欲しい楽曲です。
しゅっしゅ こと がうち