第406回 6 mab
【ミステリアスなFukuoka City】
福岡県発男3人組バンド。
福岡を拠点に活動中の6 mab。
2017年3月30日 2nd demo「organ」リリース。
時効になるおとぎ話をしよう。
柱に吊るしてある時計は0分を迎えると時を止める音を鳴らす。
揺れるカーテンの端に、陰った太陽の熱を感じる。
迷子になった子猫は暮らしの在処を忘れて生まれた場所へと出向く。
記憶の誤差と誰かの操縦と共に、解釈を始める。
都合の言い様に描く、動かす、綴る、筆は、真っ黒。
目を開いた先の景色は真っ白で、失うことへの恐怖は薄情になっていた。
このバンドは昨年、ユアネスを見に福岡に行った際に共演したのをきっかけに知りました。すごく不思議なバンドです。音楽もそうですが、MCも独特過ぎる空間が出来上がります。虚無というか、空気を漂っているというか。
曲は畳み掛けてくるようなバッキバキなギターロックでは全然なくて、どちらかといえば、シューゲイザーが好きそうな人が好みそうな音楽だと思います。比喩というか、これだ!と具体的に表現することが出来ないのが、6 mabの魅力です。理解しようとするとより複雑になるというか。知恵の輪を解こうとして、色々手を尽くしてはみたけど、結局気持ちを落ち着けて、ふとした瞬間に解けてしまう、みたいな感じです。何も考えず、感覚で、そのままを受け入れるのが良いと思います。
しゅっしゅ こと がうち