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伊藤茉央について
現役ドラフト、発表されましたね。前置きは飛ばしてファームのスタッツを見て行きましょう。
伊藤投手は今年で大卒2年目の投手です。パテレなどを見るとシンカーのイメージが強いですが、以外にも今年は真っ直ぐとスライダーの投球割合が80%を超えるかなりツーピッチな投手でした。今季は二軍で44 1/3イニングを投げ、防御率は2.64。防御率は優秀ですが、「本人の能力である程度結果を制御できる」部分、具体的には「奪三振、与四球、被本塁打」のみを見るFIPを見ると4点台。厳しい投球内容であったことがわかります。具体的に見ていきましょう。
伊藤投手は奪三振を取る能力はある程度高く、K%が21.0%とイースタンの平均レベルを超えています。ただ、四球を出すことがかなり多く、BB%は12.4%。投手の総合力を測るK-BB%は8.6%とあまり高くありません。比較対象として前回紹介した三浦投手のK-BB%を見ると先発でK-BB%が9.2%でした。中継ぎとしても一軍で即戦力として活躍するのは計算しづらいかなと思います。
ただ、伊藤投手の制球力を見ると著しく破綻しているわけではないことがわかります。ストライクゾーンに投球した割合は約40%。これはイースタンの平均より少し低いくらいです。また、ボール球を打者がスイングした割合も約26%とイースタンの平均より低く、四球を出す原因はこの二つがどちらも低いことが大きいと思います。
ただ、「空振りを取る」という能力に関しては光るものを持っていると思います。スイングに対する空振り率が26.6%と高く、イースタン平均を約5%上回っています。ここは昨年から継続して高い部分であり、来年も期待できる部分かなと思います。
また、伊藤投手は今年ファームで全ての球種のPitch Value(球種ごとの得点期待値の増減を合算したもの)がプラスとなっています。ファームレベルで「弱点となっている」球種はなさそうですね。
伊藤投手はまだ24歳、先ほど語った「四球を出す」ところを改善できれば空振りを奪いやすい能力を生かし、数年後のリリーフの層を厚くすることに貢献できるのではないかと考えます。
また、伊藤投手は楽天からの移籍、1,2軍ともにリーグが変わります。中日に所属していた伊藤投手と同じ枠組みの「右のサイドハンド」も引退した田島投手くらいで、相手が「慣れ」ていない可能性もあります。移籍後1年は慣れられていないことを生かし、ある程度結果を残すことにも期待したいです。
まとめると、奪三振能力は高いがフォアボールを出すことが多い。ただ原因は明確かつ年齢も若いので、そこを直せば高い空振りを奪う能力を武器にリリーフとして貢献できるのではないか。また、別リーグからの移籍ということで、初見であることを武器に来年から成績を残すことを期待したいとさせていただきます。
以上になります。情報を見てからすぐに仕上げたので、内容が間違っていたりしたらご報告ください。そんなに内容は濃くないですが、最後までご覧いただきありがとうございました。
データはOne Point Zero Two|1.02 より
画像はhttps://hochi.news/articles/20230418-OHT1T51213.html より