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ビッカメ娘から見る「駅前の顔」

「駅前の顔」といえばどういう施設を思い浮かべるだろうか。
ちょっと前で言えば駅前の百貨店、と答える人も多かったのではないだろうか。

しかし、百貨店はグループ再編や売上減少等の煽りを受け、地方百貨店の閉店が相次ぎ、大手の百貨店でも地方のみならず首都圏内の店舗ですら閉店するという「冬の時代」となっている。

百貨店の衰退とほぼ同時期に躍進してきた業態が「家電量販店」だ。
百貨店が抜けた商業施設にビックカメラやヨドバシカメラといった大手が相次いで進出し、まさに時代を代表する業界が変わったと言っていいと思う。

中でも多くの駅前百貨店跡に進出して駅前に進出してきたのが「ビックカメラ」だ。主な店舗で言えば2001年に経営破綻したそごう跡に開店し、百貨店跡に家電量販店が進出する流れを作った「有楽町店」や「札幌店」、閉店は免れたものの縮小(2015年には閉店)したために空いたスペースに進出した「柏店」といったそごう関係が挙げられる。

さらに、新宿三越アルコット跡の「新宿東口店」、カテプリ(旧プランタン)なんば跡の「なんば店」、さらに丸井藤沢店跡の「藤沢店」と多くの店舗が百貨店の跡に進出していることが分かる。

そんなビックカメラの店舗を華やかにしている存在が「ビッカメ娘」だ。誕生した経緯はビッカメ娘の公式サイト( https://biccame.jp/about/ )を見ていただくとして、2015年に水戸駅前店から始まったビックカメラ店舗擬人化プロジェクトは約4年経ってなんと36店舗にまで広がった。

↑私の地元のビックカメラ札幌店の擬人化である「さっぽろたん」。尊い。

現在では、ビッカメ娘ファンもかなり増え全店舗制覇を目指している人もいるほどだ。ちなみに私も密かに全店舗制覇を考えていたりする。

そして今月(2019年3月)には、初の公式本「ビッカメ娘ビジュアルブック」がKADOKAWAから発売。かなり詳細なキャラ設定が公開され、ファンは私を含めて「\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーッ!」となっているのだ。

もちろん私も読んだ。最高であったぞ・・・!

さて、読んで改めて思ったのが、ここまで言ってきたようにいまや駅前の顔は百貨店ではなくビックカメラといった家電量販店なのだろうということだ。

実際、各店舗のビッカメ娘にはその地域を表している色や装飾などが使われている。大阪の「なんばたん(なんば店)」と「あべのたん(あべのキューゲートタワー店)」は大阪名物のたこ焼きのアクセサリーを身につけているし、名古屋の「なごやたん(名古屋駅西店)」と「なごやげーとたん(名古屋JRゲートタワー店)」はシャチホコを付けている。

色で言えば「大宮たん(大宮西口そごう店)」はサッカーJリーグ「大宮アルディージャ(公式本では大人の事情によりクラブ名は伏せられている)」のクラブカラーであるオレンジを中心に使っており、「町田たん(町田店)」は町田市の市の鳥であるカワセミをイメージしたカラーリングだ。

これらはキャラの特徴付けるためには必要な要素であったことはもちろん、駅という「街の中心地」に数多くの店舗があるということでさらに重要な要素になったのではないだろうか。

駅は「人と人をつなぐ場所」だ。つまり、駅前に多くの店舗を所有しているビックカメラはその地域の中でもトップレベルで「人が集まる場所」となる。だからこそ、いくら全国に多くの店舗を持っているとはいえ「地域性」は非常に重要だ。

その「地域性」をうまくビッカメ娘達に反映させてきたナイセンビッカメ娘チームは本当に素晴らしいチームだと思う。ビックだけでなく、まさしくその「街」のキャラクターとして今後も活躍を期待したい。

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