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ブランドン・フィゲロア vs マーク・マグサヨ

予想では受けながら削って行くフィゲロアに1発で刈り取るマグサヨと言った構図で序盤マグサヨ後半フィゲロアと言った展開になると思っていたんだけど、その予想は外れて序盤からフィゲロアがペース握る結果となった

フィゲロアがいつも以上にスイッチを繰り返してマグサヨの強打を警戒している風に見えた
いつも受けながら前へ前へ出るのがフィゲロアのイメージだったから正直驚いた
フィゲロアが自身の攻撃を徹底してダッキングで対処していくのを見てマグサヨもオーバーハンドや強振のフックに加えアッパーの頻度を増やして多角的に攻めて行く戦略を取る

2Rフィゲロアがマグサヨのダッキングを見切ってダッキングと同時にジャブ当ててマグサヨのフックに合わせてのストレートでマグサヨを効かす
ハンドスピードはそんなに感じられないフィゲロアだけどリーチの長さがあるから相手への到達点はマグサヨより早いんだよね
マグサヨはフィゲロアの懐の深さとダッキングの対処でアッパーに切り替えても好転しないからボディを集中的に増やしていく
ただ、同時にフィゲロアもマグサヨに対してボディで削って行く
この削り合いでむしろマグサヨの方が削れてジリ貧になる
マグサヨは最初から強打でフィゲロアを効かせて飲み込もうとしたんだろうけど、そのAプランが全く通用しなかったからマグサヨは内心焦ってたと思う

6R終了間際フィゲロアがストレートを当ててマグサヨのパンチを避けるようにウィービングしながら右フックを当てる
フィゲロアはあれをよくするんだけど、相手からしたら捉えにくい動きだよね

さらに長い距離で戦って自分のパンチだけを入れてるのはフィゲロア
ワンツーを当てたと同時に後ろ脚をバックギアに入れてると言うか打ちながら重心を後方へ持って行ってる気がする
ツーが入る直前に重心移動を変える動作をしてるように見えた
あとマグサヨがジャブを入れられた後普通の選手より沈んでパンチを返す動作をするんだけど、それをフィゲロアが見切ってる
マグサヨからしたら自分が1発入れる前にその数倍先に当てられてるからそれを帳消しにするには1発で相手がトラブルに陥るようなパンチを叩き込もうと強打になるから膝にタメが出来るんだけど、それをフィゲロアが読んでる
近距離だと毎回フィゲロアがマグサヨの返しの前にパンチ入れてるからどんどんマグサヨのダメージが溜まっていく

何とか現状打破しようと7Rマグサヨは4方向に飛び跳ねるようにポジショニングしながら打ったりしてフィゲロアをかく乱しようとしてる

8Rにもマグサヨは片手での連打を打ったり同じ手で多角的に攻めてリズムを変えてフィゲロアのガードの間を縫ったりして工夫して攻めてた

それでも序盤からボディを攻められて9Rぐらいには明らかに効いた素振りやノーファールカップを上げて呼吸を確保しようとする動作をするなどしてた
10Rにはフィゲロアの連打で組み付きながら嫌倒れしてるような動作を見せたりしてた
最終Rにはもう立ってるのもやっとと言った感じで明らかに消耗した表情を見せてレフェリーがグローブ拭いてくれるのを期待して自分から倒れてその間休憩したいって言う思惑も見えたりして弱弱しい姿を見せてた
レフェリーによってはダウンを取っただろうし、そうなるとフィゲロアも攻め立ててただろうし、レフェリーが違ってたら展開が変わってたかもしれない

正直ここまで両者に差があるとは思わなかった
もっとフィゲロアがトラブルに陥ったりするシーンもあるのかな?と思ったけど、マグサヨが取ったのは数Rで試合全体を通じてフィゲロアの完勝と言った内容だった

この階級屈指のハードパンチャーも思った以上に目が良く戦略に長けたフィゲロア陣営の前には何もできなかった

1発当ててKOしたい闘争的なマグサヨに対してフィゲロアの方がボクシングを知ってて叡智ある戦い方をしてた

今後のフェザーはフィゲロア中心で動くんじゃないか?ってぐらい説得力のある試合をしたフィゲロアだった
対するマグサヨは今回の試合で落ちた評価をまたサバイバルして上へ駆けあがって欲しい
非常にスリリングで面白い試合をするので好きな選手の1人だから今後も応援してる

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