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「区議から区長へ。いま、区民の方に伝えたいこと」【東京都・江東区】酒井なつみさんに区長に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
『推しを見つけて応援しよう!#33』
今回は東京都江東区の酒井なつみさんです!

看護師と助産師の資格を持ち、医療の現場で働いていた酒井さん。27歳で結婚をした後、妊娠したいと思った矢先の28歳のときに子宮頸がんに罹患。闘病生活中に、人生について深く考えるようになったと話します。

2019年に江東区議会議員選挙に初当選し、2023年に2期目にも当選。そして今回、江東区長選挙への挑戦を表明しました。

「なぜ区長選挙に挑戦しようと思ったの?」「どんな区政を目指しているの?」
酒井さんに気になることをインタビューしました。


酒井さんポートレート

政治に関心をもったきっかけは何ですか?

 28歳のときに子宮頸がんに罹患したことが、今後の人生をどう生きていこうかと悩んだり、考えたりするきっかけになりました。抗がん剤治療を受け始めてからは、髪の毛が全部抜けてしまって、ウィッグを被りながら仕事を続けていました。闘病生活の中で出勤日を減らしていたので、経済的な負担も感じましたし、相談できる人もいなくて孤独感に襲われました。それまで病院で看護師としてケアする側として患者さんを近くで見ていたはずなのに、当事者の不安な気持ちは、患者にならないと気がつくことができない部分もたくさんありました

 ちょうどそのときに、2015年の統一地方選挙が行われていて、江東区議会議員選挙もありました。50名以上が立候補していて、大きな選挙掲示板が目に入ってきたときに、「自分が抱えている困りごとは誰に投票したら解決してくれるのだろうか」と、ふと思ったんです。
 当事者だからこそ、社会を変えられる力をもっているのかなと考え、次の選挙が行われる2019年にがんの再発がなくて、子どもを出産できて、元気な体でいられていたら立候補しようと決意しました。

2019年江東区議会議員選挙で初当選後、1期4年間、どのような活動をされてきましたか?

 思っていた以上に、さまざまな政策が実現できました。夫しか頼ることができない子育てを経験し、『江東区を子育て先進区に』を一つのスローガンに掲げ、一時的保育施設の増設や、ひとり親家庭へのサポーター派遣など、多岐に渡る政策を実現してきました。看護師と助産師のキャリアを活かして、高齢者や障害者の方への必要なケアの支援にも取り組んできました。
 その中でも、『がん患者ウィッグ購入等費用助成事業』を実現できたことが特に印象深いです。自分の経験としてウィッグを選ぶときに、地毛のように見えてバレなさそうな良いものが高額すぎて買えなかったことがあり、当事者の声として議会で必要性を訴えました。当初、前向きな反応は得られなかったのですが、職員の方にも動いていただいて2022年に実現することができました。今年に入り、2期目の選挙活動をしていたときに「がんのウィッグの件、助かりました」と区民の方が声をかけてくれたんです。それがすごく嬉しかったです。

一児の母である酒井さん。カフェの椅子に座りお子さんをだっこ。

今回の江東区長選挙に挑戦しようと思った理由は何ですか?

 最大の理由は、区政を後戻りさせたくないからです。江東区では、今年の4月に初めて女性区長が誕生しました。LGBTの方々が暮らしやすくなるようなパートナーシップ、ファミリーシップ宣誓制度を他自治体につづいて導入することを発表したり、子どもの権利条例もつくろうとしたり。これまでとは違った新しい政策が進んでいるという実感がありました。しかし、そんなさなかに区長に公職選挙法違反の疑いがかかり辞職をしてしまい、大きなショックを受けました。パートナーシップ宣誓制度なども、まだ何もスタートしていない状況です。

 この制度に反対している会派もあり、区長が変わってしまったら、せっかく動き出していた政策が止められてしまう可能性が大いにあります。多様性のある社会を実現するためにも頓挫してしまうことは避けたいです。
 以前より「酒井さんが区長選挙に挑戦するべき」という声が届いていたのですが、最初は「わたしには務まらないから」、「そんな強いリーダーシップはないから」と言っていました。まだ子どもが6才で子育てもある中で、自分の体も家族も大切にしながら務まる仕事なのだろうかと今も不安ではあります。それでも、どうしたら区政を後戻りさせないか本気で考え続けて、区政をよくしたい、誰もいないのではやるしかないという想いに至りました。

実現したいことは何ですか?

 3つの大きな政策を掲げています。『古い政治ときっぱり決別する』、『子ども最優先の「子育て先進区」にする』、『がんばるあなたを独りにしない』区政にしたいと考えています。詳細についてはホームページにも記載しているので、ご覧いただけると嬉しいです。(正直で公正な江東区長を誕生させる会 | 酒井なつみ | (sakainatsumi.com)
特に、パートナーシップ、ファミリーシップ宣誓制度は必ず実現したいと考えています。

 また、対話と協働を大切にしていきたいです。区民の方から公式LINEで相談のメッセージをいただいたことがきっかけとなり、いじめ不登校対策など実現できた政策が数多くあります。わたしは「自分で政治を変えよう」と思って議員になり、困りごとを相談するということができてなかったので、声を上げて相談してくださることは有難いと思っています。

 一方で、何かを相談しようと思えるほど議員を身近に感じられない方も多くいらっしゃると考えていて、それはもったいないことだと思っています。区民の方に議員を身近に感じてもらうことや、「ちょっとでも困ったときには声をあげていいんだ」と思ってもらうことを目的に、これまで学生インターンやママインターンという取り組みも行ってきました。これからも自分から区民に寄り添って会いにいくイメージで、対話の場を設けていきたいです。そして、意見をもらったものに関しては、解決できるものからすぐ着手するということをやっていきたいと思っています。

 協働というのは、区内のNPOや自主的な活動団体を頼って一緒に働いていくことです。江東区は緑が多く、人情味があって温かい方も多い下町情緒が溢れる誇りを持てる街です。すでに地域のために活動してくださっている方たちがいるのに、今は官民一体となって動くことができていないと感じています。どんな政策を進めていく上でも区民との協働を重要な視点にしていきたいです。

酒井さんの強みは何ですか?

 区議会議員を4年半務めてきたので、江東区に必要な施策や課題がすでに分かっているところだと思っています。
 なによりも、当事者意識を持って活動できるところが強みなのではないかと思います。がんの闘病や子育てなど色々なことを乗り越えてきたからこそ、本当に必要な政策を提案して、実現させてこられたと思っています。私は2期目の選挙で「女性と子どもにやさしい江東区をつくる」と約束して当選させていただきました。これからも区民の方の声を聞きながら、当事者にとって本当に必要な政策を考え、ひとつひとつ実現させていきたいです。

最後に、どんな活動をしていきたいか教えてください!

 自分が色々なところへ出かけていき、直接、区民の方と対話をして想いを伝えていきたいです。
 これまでの江東区政は区民の多様な声を反映できていなかったと思っています。「多様な声を届けていかないといけない」という気持ちに共感してくださる方と一緒に声を上げて、活動していきたいです。
 朝や夕方に街頭演説をしているので、もし可能であれば、ボランティアで一緒にチラシ配りをしてくださると嬉しいです。ご参加いただける方がいらっしゃいましたら、公式LINE(https://line.me/R/ti/p/@738lyvpz?oat_content=url)にご連絡ください。

 普段、投票にいかない方や、江東区では区長選に関する公選法違反疑いのほかにも元区議会議長が汚職事件で有罪判決を受けるなど不祥事が続いていて、政治にカッガリして辟易(へきえき)している方も多いのではないかと思います。「古い政治とはきっぱり決別をしたい」、「区民に寄り添う区政をつくりたい」という想いを届けていきたいです。

街頭演説会の様子。前を通ったお子さんに腰をかがめて笑顔で声かけ。

インタビューを終えて
終始、優しい笑顔で丁寧にお話をしてくださいました。困りごとを抱えている当事者の目線を持ち、不安や孤独に襲われている方の気持ちが分かるからこそ、必死に政策実現に取り組んできた酒井さん。区議から区長に挑戦することは並大抵の決断ではないと思います。温かい人柄の中に志を感じました。

取材・執筆:あさみ&まい&やまくぼ
取材日:2023年11月22日

酒井なつみ(基本情報)
1986年生まれ/私立自由ケ丘高校看護専攻科 卒業/看護師・助産師として12年医療現場に従事/がん闘病・不妊治療を経て、2019年江東区議会議員選挙に出馬し初当選/2023年江東区議会議員選挙で2期目の当選/一児の母

酒井なつみさんについてもっと知るには?✨
・Instagram:酒井 なつみ 江東区議会議員(@sakainatsumi.koto)
・Facebook :酒井 なつみ | Facebook
・公式ウェブサイト:正直で公正な江東区長を誕生させる会 | 酒井なつみ | (sakainatsumi.com)
・Fiftys Projectとのコラボインスタライブ(11/29(水)21:00-21:30):アーカイブ配信中!

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#33、いかがでしたか?酒井なつみさんを応援したい!と思った方は、ぜひ酒井さんの発信や街頭での活動も覗いてみてください👀✨
次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。


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