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CoCシナリオを書こうその2「本当にTRPGシナリオにする必要がありますか?本当にCoCでやる必要がありますか?」

まえがき

毎度どうも、五十歩百歩と申します。この記事は前回の記事を読んでから読むことを推奨します。

いつも通り脊髄で書いているので多少の誤字脱字敬体常体変なのはごめんね。


さて、前回の記事ではシナリオを作るための第一歩として、君のやりたいこととシナリオのスタイル-すなわち物語性やロールプレイ等を重視するのか、ゲームの体験等を重視するのかを決めてもらった。なんとなく、ぼんやりとではあるが、君のシナリオの概要ができた。これはとても大きい一歩だ。

さて、そんな君に問おう。
「本当にTRPGシナリオにする必要がありますか?本当にCoCでやる必要がありますか?」

「気を削ぐようなことを言うんじゃねえ!自分が作りたいと思ったから作るんだよ!」と思ったそこの君、大正解である。必要性なんか関係ない。作りたいから作るのだ。他のTRPGプレイヤーに通って貰いたいから作るのだ。

では次の記事では……とすると味気ないので、TRPGシナリオであることの利点と、CoCシナリオであることの利点を押さえておこう。せっかくシナリオを作るのなら、シナリオの優位な部分を知っておいて損はないはずだ。

なお、これから解説するTRPGシナリオ、CoCシナリオであることの利点はあくまで筆者が考える利点であることは留意して欲しい。君の意見と食い違うところがあるかもしれないが、そのときは君の思う利点を存分に活かしてシナリオを作れば良い。

TRPGシナリオであることの利点

君はTRPGシナリオの利点は何かと聞かれて思いつくだろうか?おそらく難しいと思われる。そんなときは類似のものを見つけて、それとの相違点を探すのが簡単だ。

ではTRPGシナリオに類似するものは何だろう。物語を享受するという点では小説、アニメ、漫画などが挙げられる。一方ゲーム性を楽しむとなると、デジタルゲーム、特にRPGとかが挙げられるだろう。

それらと比べた時のTRPGシナリオの特徴は何だろうか。直感的ではあるが、TRPGシナリオは小説とゲームを合体させたものであると考えられる。小説のように文章や言葉からそこに広がる空想の世界を伺うことができ、ゲームのように道筋を自分で決めて行動できる。所謂良いとこ取りをしている。

勿論これも良い点の一つではあるのだが、筆者はTRPGシナリオの良さを自分が主人公であること、それによる没入感にあると考える。

ほとんどの小説や漫画の主人公は君ではない。自分の名前を入力したり、アバターを決めたりすることができるゲームは存在するが、自分がゲームの世界に入ったと感じることは少ないだろう。波動拳を出そうとして昇龍拳が出てしまうように、思うように動かないことがある。

しかしTRPGは違う。勿論主人公は君自身ではないが、設定からできることまで全て自分で作成する。自分の分身、または自分の子どものようなキャラクターが主人公だ。一際没入感があることに違いない。それに行おうとしたことは行ってくれる。成功失敗は別として。町に行こうと思えば町に歩みを進めるし、魔法を撃とうとすれば撃ってくれるだろう。必ずしも敵にあたるとは限らないが。

自分の分身がストーリーを歩むのだから、没入感は大きいはずだ。そして没入感が大きければ、普段よりも感動は大きくなるだろう。大切な人を救えた時のほっとした気持ちや、魔王を倒した時の達成感だって大きくなる。TRPGなら簡単に人を感動させることができる。TRPGシナリオの良さは没入感によってシナリオの用意した感動や達成感が味わいやすいところだろう。

CoCシナリオであることの利点

では次にCoCシナリオであることの利点は何だろうか。これも少し難しい。最初に思い浮かぶことはクトゥルフ神話を扱えるということだろう。ラブクラフトから始まり、今まで綴られてきた宇宙的恐怖のバックストーリーを使うことができるというのは大きな利点だ。0からストーリーを作るよりも、ある程度世界観の前提がある方がストーリーを作りやすい。話のタネに迷ったらルルブのクリーチャー一覧を見ることができるのも良い。

しかしこれは他のTRPGシステムにも似たようなことが言える。別のTRPGには別のバックストーリーがあるからだ。自分の表現したいことに応じてTRPGシステムを変更するのもいいだろう。けど、昨今の同人CoCシナリオは、ところかまわず特殊な世界観なシナリオがそこそこある(偏見)。そんな超能力まがいなことするなら別のシステムの方が良いのに……と思うようなシナリオ、君も幾つか心当たりがあるのではないだろうか?(別に悪いとは言わない、シナリオは自由に作るべきだ)

そんな謎を解明するような、CoCの良い点を2つ述べる。人口の多さ簡単さである。

まず人口の多さだ。TRPGの中でクトゥルフ神話TRPGの人口はかなり多い。試しにゲームマーケット等でTRPGと検索した後に、クトゥルフと検索してみると良い。筆者が検索した時は、クトゥルフの検索ヒット数はTRPGのそれの約半分であった。勿論TRPGではないクトゥルフの作品もあるが、大抵はTRPG関連のはずだ。

人口が多いと何が良いだろう。自分の作ったシナリオを遊んでくれるであろう人数が多くなる。筆者の体験ではあるが、想像以上に数字の大きさはモチベーションになった。頒布しないにせよ、テストプレイをしてくれる人数も多いため、作成という意味でも楽になる。

そして人口が多い理由のひとつでもあるだろうが、CoCはとても簡単である。キャラシを作るのもステータスを決めて技能を振って背景考えれば終わりだ。慣れれば10分程度で完成する。セッションでも、覚える必要があることが少なく、慣れればルルブが手元に無くても回せる。技能判定はd100振って技能の数値と比べるだけだ。

他にも簡単なTRPGはあるだろうが、少なくともソドワとダブクロとD&DはCoCより煩雑だしキャラシは1つ1時間以上はかかる(筆者の経験に基づく偏見)。能力や呪文ごとにルルブを毎回見直してテンポも悪くなる。慣れの部分はあるだろうが、CoCは慣れるまでの時間も短いだろう。

テンポのよさは没入感に直接繋がる。特に前回の記事で述べた劇場型のシナリオ、所謂エモシをするなら特にだ。煩雑なことをやっていると気が取られるし、セッションの後の達成感はあっても感想は「難しかった」の一言になってしまう。そういう意味で、CoCは劇場型のシナリオと相性が良い。

余談であるが、特殊な世界観だったり急に変な話をしても大丈夫な感覚、土壌がCoCにはあるのも劇場型のシナリオの多さを一押ししているだろう。クトゥルフ神話自体が今まで多くの二次創作を経て作られたものであるし、様々な漫画アニメ等でモチーフ元にされているのも要因だろう。

まとめ

ここまでの要点をおさらいすると

  • シナリオは自由に作ろう!他人のガヤなんて気にするな!

  • TRPGの良さは没入感にある。没入感があると感動や達成感が多い。

  • CoCの良さは人口の多さ簡単さだ。特に簡単さは没入感に繋がる。

つまり、CoCでシナリオを作ると、それだけで比較的没入感のある物語やゲーム体験を味わえるのだ。せっかく作るならこれらを意識してシナリオを作るのもありだと思う。

そして次回から本格的にシナリオ作りの話になる。「シナリオ背景作成その1~とりあえずルルブを読め」でお会いしましょう。

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