カフジのお買物事情

当時のカフジには信号がありませんでした。
でもなくても困りません。大きな交差点は みんなロータリーになっている からです。
日本では滅多に見かけませんが、ロータリーというのは交差する道のど真ん中に島(円形の侵入不可区域)がある交差点のことです。当然車で真ん中を突っ切って進むことができませんから、いったん島の周りに沿って1/4~3/4周回ってから、自分の行きたい道に進むことになります(島の周りの道は一方通行になってるので、車が衝突したりすることはありません)。
日本と違って、土地がありあまっているアラビアだからこそ作れる大きな交差点。なので、たまにアラビアで信号を見かけると『おー都会!』っていう感じがします。

恐らくですが、日本のような信号機のシステムよりロータリーの方が事故率は低いんじゃないかと思います。というのも、赤信号を待つというストレスがありませんし、そもそもロータリーに侵入する際、周りには速度を出せないよう段差が何カ所か設置されています。
我が家の宴会に参加した後、ふらっふらの蛇行運転をして帰っていったヤバい人も少なからずいましたが(アラビアには飲酒運転取締り法がないので厳密に言うとセーフ…というか車がないと自宅まで帰れない)、彼等が事故を起こしたことはあまり聞いたことがなかったので、ロータリーって比較的安全な交通システムだったのでは?と個人的には思っています。

ところで、サウジアラビアで都会と言うと首都のリヤドが思い浮かびますが、リヤド⇔カフジ間は約700キロ離れているため、気楽に行ったりすることはできません。そのため、たまに買い出しなどで都会に出かける時は、お隣の国クウェートバーレーンに行くことが主でした。

特によく行ってたのはクウェート。そもそも、カフジはアラビアとクウェートの国境付近にある地域。しかもクウェートって静岡くらいの広さしかないちっちゃい国のため、国境越えにかかる時間を含めても首都まで3時間くらいで行けちゃうのです。国境抜ける時間を含めてもかなりお手軽。

車でキンコンキンコン鳴らしながら延々砂漠の一本道を爆走していると、ちらほら見えてくるクウェートの街並み。はるか彼方にクウェートタワーと呼ばれる串団子みたいなツインタワーが見えてきたら、首都はすぐそこです。

クウェートに着いたらまず現地の巨大なスーパーに行って、カフジでは手に入らない食材や日用品を買いに行きます(たまに貴金属店や絨毯とかも)。
クウェートもアラビア同様食品はほぼ100%輸入。だから、年がら年中ありとあらゆる食材が揃ってます。パプリカとかね。まるでクレヨンみたいにものすごいたくさんの色のが並んでるんです。赤とか黄色だけじゃなくて、紫とか白とか。どんだけパプリカ食うんだと。

スーパーで親が買い物してる間は、私は私で店内をふらふら見て回ったりするんですけれど、まぁ…アラブで売っているものは、お菓子にせよおもちゃにせよ基本的にどれもクオリティが低いというか…好みではないわけで。
当時は物欲の激しい歳でもなかったので、買い物の時間は本当にヒマを持て余してました。

なお、私は現地で服やアクセサリーすら買った記憶がありません。ほとんどが親の手作りかお下がりで、Tシャツと短パンばかり着ていました。何故かというと、アラビックの女子の服ってワンピースとかが主なんですよね。つまり店に行っても売っていない。結局自分の好みと合わなかったので作ってもらうとかしかなかったワケです。
今になればワンピースも可愛いと思わなくもないですが、当時母に切りそろえてもらっていた見事なこけしカットを見てわかるとおり、自分は当時かなりの男の子気質でした。スカートとかには全く興味のない子供時代だったので、衣服についての情報もなければ、あるものを着るしかできなかったんですね。

なお、クウェートよりもちょっと離れた島国バーレーンに行くと、イスラム圏であるにも関わらず、なななんと豚肉を買うことができます。これはバーレーンに住んでいる外国人の割合が、国民よりも圧倒的に多いからなんだと思います。なので豚肉を調達したい時はバーレーンへGO。
国境を超える時のチェックは、
『これ何の肉?』
『 鹿の肉 』
で、大体OKです。
肉の塊になったらなんの肉か区別することできませんからね。その辺はアルコールよりも、かなりチェックはゆるかったと思います。

なおバーレーンではホテルでアルコールも飲むことができたそうです。駐在日本人の中には、毎週行くなんて人もいたそうです。

以上、アラビアでお買い物する時のお話でした。