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人が追いつかない②

 自動車の免許を取得する。理由はざまざまだろう。純粋にクルマに興味があって乗りたい。仕事で使うから。就職で資格が必要。中には身分証明書代わり…千差万別だ。ほとんどが自動車教習所に通って交通法規と実技を繰り返して習得し、最終試験に合格すれば、晴れて自動車免許が手元にやってくる。

 免許が手元にやってきたと同時くらいにクルマ本体も大枚叩いて迎え入れることになるのだが、ほとんどの場合そこで満足してしまうことが多い。免許取得のために教習所に通って、クルマの動きを実際に練習して、そこでどうにか「公道を走ってもいいですよ」な免許であって、免許が手元にくればいつでも「俺はオッケー」的になってることが多いのだ。公道に出るということはそれだけで事故の確率が非常に高いことは事実で、自分の車以外の町並みにある店や家屋、樹木、ガードレール、そして歩く人、自転車、往来する他のクルマなどなど、危険因子が山のようにある。それを自分というコンピューターが五感を駆使して演算しながら「安全に走る」ということを実践しなければならない。

 ということは免許を取得して、公道デビューをしてからが、運転技術の実践鍛錬が始まるわけで「免許が手元にあるから運転は大丈夫」ではない。

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