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歴史から読み解く! 八王子の魅力!~こだわりの100年〜

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「八王子駅北口マルベリーブリッジ」、八王子市、クリエティブ・コモンズ・ライセンス表示4.0
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/citypromotion/gallery/town/p210302.html

八王子市とは

八王子市(はちおうじし)は、東京都心から西へ約40キロメートル、新宿から電車で約40分のところに位置しています。地形はおおむね盆地状で、北・西・南は海抜200メートルから800mほどの丘陵地帯に囲まれ、東は関東平野に続いています。本市は、大正6年(1917年)の市制施行から、平成29年(2017年で)100年を迎えました。また平成27年(2015年)4月に、東京都初の中核市となり、人口約58万人の多摩地区のリーディングシティとして、21の大学を抱えた学園都市として発展を続けています。

八王子市の概要:八王子市公式ホームページより
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisei/002/002/p006163.html

八王子の産業の歩み

八王子は昔から織物や生糸の商工業が盛んでした。八王子は、「絹の道」というシルクを貿易のために横浜まで運ぶ道の起点となっていました。また、絹に代わるように海外へ輸出されたのがお茶であり、もともと、輸出入製品は東京湾まで運ばれて行われていましたが、八王子に物を集めて横浜の港から輸出入を行うようになりました。八王子は横浜へ続く道が通っていたため多くの輸出製品が運ばれていました。。こうして、八王子の町は外貨獲得に大きく貢献しました。
また、八王子市内の商業では、昔からあるお店同士で組合をもとに深い交流があり、パン・和菓子・お茶・織物など、様々な商業の組合が存在しています。このつながりが八王子が栄える基となりました。
この記事では長年続く八王子の街で100年以上地域を支え続けてきた老舗店について、その中でも現在の八王子市周辺の二つのお店を紹介します。

老舗店①網代園

明治24年に創業した、八王子駅から徒歩10分の場所にある老舗お茶屋さん。ホームページでは、「お茶は 茶農家のたゆまぬ努力と茶師の技によって生まれる日本が誇る健康飲料です。弊社では香り・味・水色のそれぞれの個性をブレンドし 丹精込めた仕上げによって 独自のお茶を作りあげています」とコメントしています。

お茶、網代園の歴史
網代園のお茶の歴史の始まりは埼玉の狭山で、当初は狭山のお茶を加工して販売していました。明治時代に入るとお茶を海外に輸出することで利益を得ていました。お茶は八王子の地名にちなんで「八茶」という名で販売されていました。絹と同じ道を通り、横浜の港から輸出されていた八茶は時期が絹の時期とそれぞれ分かれていたため八王子の経済をうまく回していました。現,JRである国鉄に提供し、利益を得ていたこともありました。もともと市民は自宅に庭を持っておりそこでお茶を育てて飲んでいたため、お茶はお金を出して買うものではありませんでした。しかし、その後出稼ぎで都市部に出てきた人達は社宅に住んでおり、庭を持っていなかったため、そこからお茶は買われるものとなりました。また、戦後には配給所にも提供され、スーパーマーケットができ始めたのと同時に網代園がスーパーにお茶を納品するようになりました。こうして網代園は人々の暮らしを支え、時代の波に乗り八王子一の老舗お茶屋さんとして栄えていきました。

<網代園>
住所:東京都八王子市横山町10-14
アクセス:八王子駅北口 徒歩8分
営業時間:平日 9:30~19:00
     日曜日・祝日 9:30~18:00
定休日:土曜日
電話:042-643-0333

老舗店②布屋パン店

1921年(大正10年)に創業された、八王子駅から徒歩5分ほどの場所にある老舗パン屋。

店のガラスには「麦の心を焼き上げる」と書かれている

布屋パン店の歴史
先代の方が長野県から八王子に上京し、初めは駅でお弁当などを売るところに勤めていました。その後独立してパン屋を開くことに。昔は洋菓子なども販売しており、喫茶店としても開店していたそうです。

パン組合による地域とのつながり
パン組合は、昭和16年戦時物質統制の始まりと同時に、食糧危機突破にパン工業の寄与する座を確立するため、全国パン組合連合会が結成されました。終戦直後は小麦がなかったことから国がパン組合を発足し、小麦を各店で分けてパンを作っていたと言われています。このパン組合によって材料が少ないながらもパンが地域全体に行き渡るようになっていました。戦後に小学校などの学校給食にパンが出るようになった頃、布屋も地域の学校に届けていたそうです。その後、クリスマスの時期にはケーキなどの洋菓子の注文も受けていました。現在も八王子の保育園にもパンを納めたりと、今も昔も地域の食の一部として活躍しています。

昔ながらのパンで勝負!
戦後はサンドウィッチや洋菓子などを売っていましたが、セブンイレブンなどのコンビニエンスストアが多くできてきたことから、先代の人からパン屋は廃れてくると言われてきました。布屋は新作のパンに力を入れるのではなく、昔ながらのあんパン、食パン、クリームパンなど定番商品を売り続けています。

一番人気のパンは?
3色パン(あんこ、ジャム、クリーム)

3色パン(あんこ、ジャム、クリーム)

お客さんからは、「布屋の食パンは美味しい」と言ってくれて、遠くから来てくれる方もいると伺いました。

<布屋パン店>
住所:東京都八王子市旭町7-7
アクセス:八王子駅北口 徒歩2分
営業時間:8:00~20:00
定休日:日曜日
電話:042-625-1226

まとめ

八王子には老舗のお店が多くあります。この二つのお店をはじめとした老舗店は、土地を持ち、先祖代々受け継がれてきました。老舗店は時代に合わせて業態を変化させ、それぞれのお店の工夫により続いてきました。また、老舗店の中で組合などを立ち上げることで店舗間での情報の共有やコミュニティ形成を行うことができるため、多くの老舗店が軒を連ねる街、八王子へと発展していきました。みなさんもぜひ、魅力ある八王子へ足を運んでみてください!

記事制作:2022年度 004班