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日本の連ドラだからこそ作れた異色の神ドラマ、「全領域異常解決室」で何があったのか。ドラマオタク目線の記録
―「すべてをわかろうとするなんて人間の傲慢ですよ」
2024年秋クール、下馬評と異なるという意味も含め最もドラマ界をざわつかせた(と個人的には思っている)「全領域異常解決室」が、先日遂に最終回を迎えた。
まず、面白かった……!!!
こんなに楽しい3か月をありがとう、制作陣に心より感謝を伝えたい。大感謝。久しぶりに地上波リアタイで見届けたドラマでした。この配信全盛期の戦国時代にリアタイで見たい!と思わせるのは
とんでもない作品のパワー。でも絶対にネタバレを踏みたくないし、何より面白すぎて早く見たいからリアタイの選択肢一択なのである。
良質オモシロ作品すぎて愛しかない&近年稀に見る興奮的な盛り上がり方をしていたこのドラマ、
この気持ちと記録をどこかに残しておきたく、noteに綴ることにした。
間違いなく2024年を代表する
神ドラマ(ダブルミーニング)であった。
※ネタバレ有りなので未試聴の方はお気をつけください。
見てない方はとりあえず5話まで見てください。
このドラマは5話からすべてが激変します。
そこからが本領発揮です。
もし脱落しそうになったらとりあえず5話~7話見てください!!!
*
―「全領域異常解決室」の前評判
オリジナルドラマ、しかも地上波作品でこのような変遷を経て熱狂を生んだドラマは実に久しぶりではないだろうか。なにせ近年は原作有の実写化作品が寡占状態である。
オリジナルで期待値の高いドラマ、特にドラマクラスタの中で、といえばある種ブランド化された制作陣が関わっていて前評判も最初から高いものが多い。
例えば今期(2024年秋)であれば「海に眠るダイヤモンド」のようなことである。ドラマクラスタではなくとも、誰もが知るヒットメーカーの
脚本×演出×プロデューサー陣に加え、TBSの日曜劇場、という局としても非常に力を入れている枠。更に神木隆之介、杉咲花、土屋太鳳をはじめとした全員メイン級のキャストたち。今期のビッグタイトルは「海に眠る~」で全員同意していたはず。
ところが、である。
どちらかといえば前評判では控えめな期待値であった「全領域異常解決室」が話を進めるにつれ、視聴者を熱狂の渦に巻き込んだ。
もちろん、本作品にしても『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『マイファミリー』『グランメゾン東京』等、数々の名作を世に送り出した超の付くヒットメーカー、黒岩勉氏脚本に加え、石川淳一氏演出という実力派スタッフ。
そしてメインキャストにはフジ連ドラ初主演となる藤原竜也に広瀬アリス、と期待値の高い要素は多分に含まれていたが、今期多数あった刑事&ミステリジャンルの一作。
まさかここまで予想外に面白い作品だと思っていた人間はそこまで多くないように見えた。
*
― 熱狂を巻き起こした歴史的瞬間
本作の爆発的な盛り上がりを見せた
歴史的な瞬間。
それはやはり、第5話のラストシーンだろう。
藤原竜也「僕も神です」
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4話のラスト3秒、
このセリフでバツっと終わり、
次週予告に繋がるスタイリッシュさ。
@zenketsu_fujitv 🟨第6話→11月13日(水)22時放送🟨 「僕も神です」 神々の全面戦争勃発⁉️ 次週予告ロングver.です✨ 💥最新話&1〜3話は #TVer で配信中👇 https://bit.ly/4dyujaw 💥#FOD では第6話を最速配信中👇 https://fod.fujitv.co.jp/title/3046/ 💥Netflixでも配信中 🟨 #全領域異常解決室 🟨 ⬛️ #ゼンケツ ⬛️
♬ オリジナル楽曲 - 『全領域異常解決室』フジテレビ水10ドラマ【公式】 - 『全領域異常解決室』フジテレビ水10ドラマ【公式】
なにこれ~~~~~!!!!
どういうこと!?!?!?
いや、でも藤原竜也ならわかるね………?
という全国民、謎の納得感。
まさに納得と混乱のマリアージュ。
脳内で処理しきれず、即座にX(Twitter)を開いた人が多発。X(Twitter)でゼンケツ関連ワードが続々世界トレンド入り。
藤原竜也といえば、数多く代表作はある俳優だけどやはり「DETH NOTE」の夜神月の印象が強い。
全国民のDNAに色濃く刻まれているのは間違いない。新世界の神を目指した夜神月…。
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そんな彼に、
「僕も神です」
と言わせる。
もうそれだけで話題勝ち確定でしょ。
これ絶対狙ってますよね?言わせたかったやつですよね!?!?
数々の名俳優あれど、このセリフを
こんなにも違和感なく言えるのは、
この世に藤原竜也ただ一人しかいない。
説得力しかないんよ。
X(Twitter)を開くと、やはりというか興奮と混乱の阿鼻叫喚ツイートでTLが溢れていた。
あの時のお祭り騒ぎはちょっと忘れられない。
僕も神です
— ガッテム竹内 (@gtt214214214) November 6, 2024
by藤原竜也
うん、みんな知ってる
by視聴者
#全領域異常解決室 pic.twitter.com/n6c56luNZp
藤原竜也、大学生で新世界の神になり損ねて、借金まみれで地下に落ちたと思ったら、色々あって魔法使いになり遂に大学生以来の夢叶えて神になった。#全領域異常解決室
— 照 (@420_Supika) November 6, 2024
何回思い出しても、藤原竜也に「僕も神です」って言われても「そっか〜!」って納得しかない
— 深潭@ドラマ垢 (@shintan_b) November 6, 2024
神様が生きてるってこと!?って驚きは凄かったのに、藤原竜也が神を名乗ることには驚きより納得しかない
信頼と実績の藤原竜也#全領域異常解決室
― そもそも当初はどのような話だったのか?
誰が「神」ドラマになると思っていたか。
そもそも、ゼンケツ放映当初はこのような内容紹介だった。
身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」という捜査機関が解決していく1話完結型ドラマです。その扱う事件の対象は、まさに“あらゆる領域”におよび、「神隠し」「シャドーマン」「キツネツキ」といった“超常現象”など、現代科学の常識では考えられない“異常”に挑んでいきます。
~中略~
これまで『ガリレオ』(2007年ほか)や『ミステリと言う勿れ』(2022年)など、数々のミステリードラマを手がけてきたフジテレビが、2024年の秋、全く新しい上質なミステリードラマをお届けします。
めっちゃミステリ推してるじゃん!!!!
メインビジュアルも藤原竜也と広瀬アリスのドアップとタイトルのみ、という情報要素が少ないもの。私自身も、男女バディ物でちょっと色物なミステリ系かあ?くらいに思っていた。
そして4話までは、超常現象っぽい不思議な事件が起きるけど結局犯人は人間で全部科学で説明できるね、でもちょっとだけ余白を残して終わるね……すべてを分かろうとするなんて人間の傲慢だもんね……みたいなオカルトミステリーであった。
何かが引っかかる、でも何か見てしまう、
しかしすっごくハマっているわけではない。
これが4話までの印象。
そこが、大きく一変したのが5話である。
千里眼の少女が出てきて、
なんと彼女は「神様」だった。(!?)
ん? これってミステリ作品じゃなかったの?
こういうファンタジー要素含まれるの!??と
思っていたところ、
後半怒涛の展開、え、みんな八百万の神???
ミステリじゃなくて特殊能力者持ちたちの話が始まったぞ!?!?
ここで、ケイゾクやスペック好きな人たちが反応してたイメージ。
そうなのだ、1~4話までは伏線を散りばめつつも
基本は1話完結ミステリドラマ。
それが5話ラストの「僕も神です」で視聴者大混乱、翌週6話でゼンケツメンバーが全員神だということが判明し、5話のラストに呼応する形で広瀬アリスに「私も神なんですね?」と言わせるそこから7話で全種明かし、まさかのエピソード0。
脚本の黒岩さんが「このドラマは7話から始まります」とコメントしていてそんなドラマあるかーい!と思っていたら、本当に7話から始まった。
何を言っているかわからないと思うけど、紛れもなくそうなのである。
このドラマのつくり……凄くないですか?
今って、タイパタイパの時代。
音楽だってイントロから心掴まないと
もう最後まで聞いてもらえない。
「曲の作り方が変わった」という説もある。
そんな時代に、このドラマの主軸となる「全員神様」という設定を伏せて、
4話かけて視聴者を育て、5話から怒涛の展開をさせる。
このスロースタートとも言えるつくり、制作陣のこの仕掛けづくりの気概にスライディング土下座で全面降伏です。
そんな時に脚本家・黒岩さんのインタビューを読み、
――配信が盛んになっているのは、脚本づくりにも影響がありますか?
黒岩:作り方は変わってきますね。最初に大きな火をおこす必要はなくなってきているというか。とにかくトータルで考えていきました。
なるほど……。
確かに、毎週かじりついて見なくても、配信にラインナップさえされていれば今まで見逃していた視聴者も一気に取り込める。
脱落していた人も呼び戻せる。話題性から客を繋げやすい。
連ドラはタイパ時代と逆境して「時間のかかる」エンタメだ。
でもゼンケツは連ドラでしか作れない作品だった。だからこそ面白かった。
皆がテレビを見なくなった時代だという。
でもだからこそ、黒岩さんがインタビューで
話しているように作り方は変わった。
逆に現代だからこそトータルで考えて
ドラマが作れる時代になった。
そんな時代だからこそ、ゼンケツは生まれたのだ。それって凄く希望に思えた。
ちなみに、本作はFODで最新話が
先行配信されるスタイルだった。
続きが気になりすぎてFOD加入を検討した
視聴者も多かったのではないだろうか。
フジテレビさん、ゼンケツ落ちのFOD加入者数教えてください…。
― 日本だからこそ作れた日本ドラマ
本作は神様のお話しだった。
しかも日本八百万の神様が輪廻転生を繰り返していて、数千年にわたり人間社会にまぎれて生きており、人間たちを見守っている、という設定。
なにこれ超面白いじゃん……!!!
ちょっぴり不思議ミステリ
→神様大バトルファンタジー作品
になるなんて誰が思ってた???
確かに、登場キャラの名前からヒントはあった。
明らかに神様をもじっている。
でもさあ!!!(楽しい)
「事戸を渡す」という口に出して言いたい
ワクワクする言葉。
各々の神様が特殊能力を持っていたり、
人間の願いを叶えることもあったり。
でも、神も万能ではなくて、
スサノオの例しかり、
生まれる親に恵まれなかったり
ツクヨミのように今世に絶望したり
どうしようもないこともたくさんある。
更に、ただのファンタジードラマではない。
現代の社会風刺が含まれている。
ファンビジネスの闇、違法薬物などなど
アングラな社会問題にも警鐘を鳴らしている。
特にSNSやスマホ依存による「考える力」を失い、「最も思慮の浅いイキモノ」となった人間。
日本の社会風刺を描いていることに加え、
日本人の多くが「なんとなく知ってるけど
詳しくは知らないうっすらとした知識」である
日本神話をモチーフにしていること。
その前提知識が必要となるアカデミックなドラマであること。
誤解を恐れずに言えば、日本の地上波制作ドラマは大手配信制作ドラマや海外ドラマに対して
格下に見られる風潮がある。それが私はずっと悔しかった。日本のドラマだって面白いものはたくさんあるのに。
でも、本作は間違いなく、日本だからこそつくれた日本の地上波ドラマだからこそできたドラマだ。そしてだからこそ、このような異例の盛り上がりに繋がったのだろう。
― 小夢は事戸を渡されたのか?
さて、最終回、小夢は本当に事戸を渡されたのだろうか?
「小夢の記憶を取り戻すためにヒルコと対峙する」
は大きなテーマでもあった。ただ、小夢は興玉を守るために、自らの手で自決したことが分かった。しかも、寿いわく、「(興玉を守るために自ら事戸を渡したのは)愛情からでした」と。
正直、こんな話、他人から聞きたくなかったよね。。
「黙れ!」と寿を制する興玉の表情……つらい。
数千年ずっと傍にいて、でも結ばれることはなくて、ずっとずっと横で見てきたパートナーで、想い人。
その想い人が自分を守るために全てを失い、
人間になってしまった。何千年もずっとずっと仲間だったのに、もう来世で会うことはできない。
あーーーーーーーせつない!!!!!!!!!
神様ではなく、もう「人間」である小夢。
「神様のことを知ってしまった人間の記憶を全員消すこと」は上の決定。
それは、もう神様ではない小夢も含まれるのだ。
でも、私たち視聴者は見逃さなかった。
興玉が事戸を渡す時、不自然に指が1本離れていたことを。
ねえこれ絶対事戸渡してないよね??????
お願いそうだと言って!!!!
私は興玉×小夢のハピエンを願わずにはいられない量産型オタクなので……。
でもそうすると、夫婦1000年記念の、記憶を失ってからもずっとずっと見守ってきた芹田が報われなくて辛いんですけど、ホラ、当て馬キャラってそれはそれでいいじゃん、萌えるじゃないですか(オタクの早口)
ラスト、2人がすれ違うシーン。
小夢も記憶をなくしたフリをしてるんじゃないかなあ。
鈴を鳴らして微笑んでる、きっとこの鈴の音は興玉に聞こえてる。これが、お互いの「愛」なのかな、とも思ったり。
― 突如現れた特濃新キャラたちは…?
あとこれだけは言わせてほしい。
いや、あんな要素てんこ盛りの新キャラ出してきて、このまま終わるは絶対無いだろ!!!!(大声)
なんですかあの溝端淳平は???
コテコテの京都人×インテリメガネ×炎使い×東京ばな奈
最終回でいきなり京都弁インテリメガネ火属性溝端淳平を出すやつがあるか
— 樂壱(ウニクロ) (@rakuichirakuthe) December 18, 2024
もっと段階を踏め#全領域異常解決室 pic.twitter.com/3rZEp3T1UQ
バトル系少年マンガで中盤以降に出てくる実力者じゃん。
もしくは白泉社属性の夢キャラ。
っていうか世界観、CLAMP……???(オタク大混乱)
最終回で豊玉はスサノオに治してもらってるのに
骨折したまま新幹線乗ろうとしてる不憫可愛い要素まで持ち合わせてたYO。
あんな濃ゆいキャラ出てきてあのまま終わるわけない。とよちゃんのお父さんもさ…
そして、何度も言葉で出てくる「尼寺局長」
こんなん絶対天照大御神なんですよ。
アマテラスといえば、日本神話の中でも特別な神様。じゃあこの神様を誰が演じるか…!?となると
想像しただけでも楽しい。
個人的に役所広司とかのイメージなんだけど、
天照大御神って一般的には女神と言われているからなあ…
やっぱ天海祐希!? もう少し年上でいいなら
加賀まりこ様……雰囲気ちょっと違うけど個人的には石田ゆり子もイイ。あー考えるだけで楽しいな。
終わり方も意味深だったので、絶対に続編はあると思う。まさか映画版BLEACH、映画版ジョジョみたいな「これ絶対続きあるじゃん!」みたいな終わり方して続編無い、みたいな不幸なことに(虚無)このドラマに限っては、無いと信じています!!!
― 語り切れない好きなところ
他にも好きなところはいっぱいあって。
まず劇伴。とにかく劇伴が好きでした。
雅で迫のあるオーケストラ。わくわくした。
「踊る大捜査線」「半沢直樹」のように大ヒットドラマの劇伴ってすごく印象的で大切だと思っています。
あと福本莉子!
彼女は序盤まで謎の敵、ヒルコを思わせるミスリードを請け負っているキャラであった。不思議で神秘的でどこか浮世離れしたキャラ設定と二次元味のある圧倒的ビジュアルが大マッチ。
衣装スタイリングとヘアメイクも鬼可愛かった。
#全領域異常解決室
— まめたろう (@mame_0_daihuku) November 6, 2024
福本莉子ちゃんの衣装とスタイリングが可愛いって話一生しようね〜〜〜!! pic.twitter.com/xYnxEG9ygE
清純派で透明感ある役も似合うと思うけど、
彼女はどちらかというと、こういうミステリアス…
というかサイコパス?的な役の方がハマり役なのではないだろうか。圧倒的ビジュがあるからこそのちょっと不気味なギャップ。
カワイイだけじゃない、なにかクセのある仕草や微笑み方。実に画面映えして吸引力があった。
こんなに良い女優さんだったんだね。
種明かしされてからは、小夢っち大好きなひたすら可愛い女の子だったのもまた良き。
― 日本神話モチーフのおすすめ作品
私は元々日本神話や八百万の神様、という概念が好きである。自分自身は無宗教だが、万物に神様が宿っている、という考え方は日本人っぽいというか、すごく好きな考え方なのだ。
少女時代、日本神話の世界に出会い爆ハマりした少女マンガを紹介して結びとします。日本神話の神様がたくさん出てきて、天照大御神が弱っている世界の危機を救うというストーリー。
これで日本神話の世界に片足突っ込みました…。
若狭結姫(わかさ・ゆうき)は、ふつうの小学5年生。ある日、空から落ちてきた勾玉(マガタマ)を手にしたら、鏡の中から謎の女性があらわれて、夢の世界“高天原(タカマガハラ)”を救う運命だと告げられた! 突然の話に混乱して眠ってしまった結姫は、そのまま“高天原”に行ってしまった!! 夢と現実、2つの世界を行き来する結姫の、大人気の冒険ファンタジー
ゼンケツで神話監修をしている平藤喜久子さんの
『日本の神様 解剖図鑑』も話題になっていますね。
これを読んで続編(あるって信じてる!)に備えます!
フジテレビさん、
早く続報出して~~~~!!!!!!
(おまけ)mixi2 「日本ドラマ好き!」同好会
先日、この令和の時代に華麗に復活したmixi2。懐かしすぎて泣ける。
日本ドラマ好きのコミュニティを立ち上げてますので、
よろしければのぞいてみてください。
ドラマ好きでワイワイ話してます!