福岡インディペンデント映画祭2024【コンペ作品紹介 その⑨】(9月8日(日)-P3
ご挨拶
このnoteをご覧いただいてありがとうございます!
福岡インディペンデント映画祭(FIDFF)実行委員の太田です。
FIDFF2024で上映されるノミネート作品の解説や見所ポイントをお伝えしています。
今回は、コンペティション部門上映3日目、9月8日(日)の第3プログラム(15:35~18:00)
ノミネート作品、最後の上映作品となる、
長編映画『ゴールド』
をご紹介します。
『ゴールド』
日本 2024年制作 124.12min
ドラマ・九州プレミア
映画祭スタッフ推しコメント:
2人の出会いが気持ちを少しずつ変えていき、寄り添う為に少しずつ無理もする。 そしてあるがままのはずの二人がすれ違う。 誰にでもある男女の日常と気持ちを丁寧に描いている作品。ラストの二人の芝居はせつなくなる。
https://fidff.com/files/2024/07/gold_fidff.mp4
作品あらすじ:
正社員のミキと、フリーターの弘樹。二人は高円寺の路上ライブで偶然出会い恋人になる。ミキの自立した強さに惹かれ憧れた弘樹は正社員になる。しかしミキは弘樹に無理しないで楽なバイトをしてて欲しかった。毎日笑ってて欲しかった。弘樹は男ばかりの職場で、陰口や差別的な発言に傷つき、毎晩溜息をつくようになる。ミキはミスをしがちな後輩と、パワハラやセクハラ発言をする上司の間で疲弊し、弘樹にキツイ冗談を言い傷つけてしまう。笑顔を奪ってしまう。稼ぎのない男との付き合いを反対する友人。「あるがまま」なんて甘やかしだと腐すベンチャー企業社長。「あるがまま」生きるために声を上げ社会を変えようとする後輩。誰にも言えない秘密を抱えて普通のフリをして生きる人。少数であることを非難されても、称賛と受け止める高円寺の飲み友達。仕事と生活の間で様々な人達に出会い、なにかがズレていく2人。それでもミキは弘樹と一緒に居たかった。同じ時を過ごしたかった。
コンペティション部門上映を締めくくる作品として、この映画を紹介できることを誇らしく思います。
主演の小畑みなみさん、サトウヒロキさんが、正社員のミキと、フリーターからやがて正社員になる弘樹の仕事と生活を、繊細且つ力強く演じ、見事に124分超を見せ切っています。
知多 良監督は、1988年生まれ、東京都出身。生活と恋愛をテーマに映画を撮り続けています。短編映画『ロープウェイ』や『前世、河 童』が国内外の映画祭で高い評価を受け、2020年、グッナイ小形『きみは、ぼくの東京だった』MVでは、米国アカデミー賞公認映画祭Short Shorts Film Festival&Asia Cinematic Tokyo部門にノミネートされています。本作は、この楽曲のMV作りの中から長編映画として企画が立ち上がってきたそうです。
監督はコメントで、「大切にしているものを傷つけられたり、それなのに誰かを傷つけてしまったり。簡単に誰かを加害者や被害者と決めつけず、1人の人間の中の多様性を描くことを心がけました(抜粋)」
と語っているように、ハラスメントや様々な状況が描かれるのですが、それを一方からではなく、それぞれにとっての正しさのぶつかり合いやすれ違いとして描いているところが物語に深みを与えています。
プロデューサーは野本梢さん(監督作『私は渦の底から』『彼女たちの話』『次は何に生まれましょうか』『愛のくだらない』等)
堂々たる、知多 良監督長編デビュー作を、是非スクリーンで味わってください!
9回にわたって第16回福岡インディペンデント映画祭2024のコンペティション部門、ノミネート作品を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
興味を引く作品があったでしょうか?
紹介されたけどピンとこなかった、という方もいるかも知れません。
安心してください!間違いなく全部面白いです!
是非、福岡インディペンデント映画祭の会場に足を運んでいただきたいと思います!
改めて、開催日程をお伝えします!
16周年となる今年は、
8月31日(土)ZERO day として
「福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ」にて開幕
福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3丁目7-1)
9月6日(金)~8日(日)より
コンペティション部門ノミネート作品、および特集上映を
「福岡市美術館ミュージアムホール」にて
上映いたします。
福岡市美術館ミュージアムホール( 福岡市中央区大濠公園1-6)
次回からは、8月31日(土)ZERO dayの招待作品や、FMF(Film Makers Field)特集について等、映画祭全体についてお伝えしていきたいと思います。
ではまた!