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思春期の月経異常~15歳までに初潮がない場合~

皆さんこんにちは

産婦人科医の内田美穂です。

皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。

今回は、「思春期の月経異常」についてお話したいと思います。


18歳を過ぎても初経の起こらないものを「原発性無月経」と言い、15歳から18歳までに月経が初来しないものを「遅発初経」と言います。

日本以外では15歳で初経が初来しないことを原発性無月経と定義しています。

では、初経がない状態を18歳まで待っていいかというと、そういうわけではありません。

98%の女性は15歳までに初経を迎えると考えられており、15歳を超えても初経がない場合は検査することが推奨されています。



検査が必要な理由


なぜ検査が必要かというと月経が来ない理由として、中枢性(脳)の障害以外に、染色体異常解剖学的異常の先天性疾患の可能性が考えられます。

原因を探る以外に、もしこれらの疾患によって女性ホルモンのエストロゲンが低いのであれば、将来のためにホルモンの補充が必要になります。

検査について


検査の内容は、身長・体重、乳房発育などの第二次性徴や外陰部の評価を行い、子宮・卵巣などを確認するため超音波検査を行います。

超音波検査は、セックスの経験がある場合は、腟からの検査となりますが、セックスの経験がない場合は、腹部からエコーを当てたり、肛門から超音波検査を行います。

場合によってはMRI検査が追加で必要になることもあります。

また採血でホルモンの数値を確認し、必要に応じて染色体検査を行うことがあります。

治療について


検査結果によって治療の介入が必要となることがあります。

第二次性徴や骨量にとても重要であるためホルモン補充療法が必要になります。

また、先天性疾患の場合、将来の妊孕性に関すること、染色体異常であればジェンダーに関することなど容易に受け入れられないことも出てくるため、身体的サポートのみならず精神的サポートも必要になります。

15歳を過ぎても月経が一度も来ていない場合は、まずは婦人科で相談するようにしてください。


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