不正性器出血の原因について
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「不正性器出血の原因」についてお話したいと思います。
不正性器出血とは?
不正性器出血とは、外陰部、腟、子宮からの出血をいいます。
出血の色は、真っ赤だけではなく、ピンク、茶色、黒などの色も含まれます。
出血の色、量、持続期間を聞いただけで診断することはできません。
不正出血を起こす主な原因
では、不正出血を起こす原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
原因は大きく分けて6つあります。
炎症によるもの
ホルモン異常によるもの
良性の腫瘍
子宮腟部びらん
悪性の腫瘍
妊娠に関連するもの
一つ一つ見ていきましょう。
① 炎症によるもの
クラミジアや淋菌などの感染症や閉経後に起きる萎縮性腟炎などが原因となります。
クラミジアや淋菌は将来の不妊症の原因になることがあるので、早めに検査・治療をしましょう。
② ホルモン異常によるもの
生理の周期、持続期間、規則性、出血量が標準から逸脱したものも不正出血になります。
無排卵などがあると将来の不妊につながることもあります。
ホルモンのバランスに異常がないか婦人科で相談をしてください。
③ 良性の腫瘍
子宮のポリープ、子宮筋腫などがあげられます。
外科的治療が必要となることがあります。
④ 子宮腟部びらん
若い女性でよく見られる状態のことで、中には不正出血を繰り返すことがありますが、毎年の子宮頸がん検査で異常ないことが分かれば治療の必要性はありません。
⑤ 悪性の腫瘍
子宮頸がん、子宮体がん、子宮肉腫、腟がんなどが原因になることがあります。
早期発見、早期治療が大切です。
子宮頸がんは20~30代の発症が増加しています。
子宮体癌は40代から増えてくる癌ですが、生理不順、肥満、出産歴がないなどがリスクとなり、40歳以下の若年者で発症することもあります。
⑥ 妊娠に関連するもの
流産や子宮外妊娠で出血することもあります。
避妊をしていても妊娠することがあるので、性交渉があって出血を認めた場合は妊娠も念頭に置きましょう。
もし出血があった場合は…
出血には様々な原因が考えられます。
「少量の出血ですぐに止まったから問題ないだろう」と自己判断せず、必ず婦人科で検査を受けましょう。
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