【更年期】40代以降の月経不順、不正出血
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「40代以降の月経不順、不正出血」についてお話ししたいと思います。
閉経に近づいてくると女性ホルモンの低下に伴って無排卵になることが増え、月経不順や不正出血を生じやすくなります。
それまで順調だった生理が、突然、無月経となることは稀です。
更年期の生理の変化について
次のようにいわれています。
突然の無月経は1割
生理の頻度が増えたり、量が増えたり、不正出血が出るのは2割
生理の頻度が減ってきたり、量が減ってくるのが7割
生理の変化を感じたら、卵巣機能が低下しているサインです。
検査をしたら、閉経時期は予想できる?
ホルモンの採血検査をしたら、卵巣機能が低下していることや閉経の時期を予想できるのでしょうか?
残念ながら、わからないことがほとんどです。
「閉経に向けてエストロゲン値が徐々に低下する」というわけではなく、閉経の半年から1年前までは正常値のこともあります。
検査で異常が出なくても、不調が続く場合は、時期をあけて再度検査することをお勧めします。
更年期の不正出血の原因
更年期の不正出血の原因は、無排卵以外にも様々なことが考えられます。
感染症、萎縮性腟炎、子宮筋腫、ポリープ、悪性腫瘍などがあげられますが、忘れてはいけないのが“妊娠性の出血”ということもあります。
40歳以上の方が妊娠された場合、年齢的なリスクや環境を考えて中絶を選択される方がいらっしゃいます。
出産を希望されている方以外は、完全に閉経するまではしっかりと避妊をしましょう。
子宮体がんが隠れている場合も
もう一つ知っておかないといけないのは、更年期時期から増える「子宮体がん」です。
皆さんが定期的に受けているのは「子宮頸がん」の検査で、子宮体がんとは全く別物になります。
子宮体がんの検査方法は子宮内膜細胞診といい、子宮の奥に細いブラシを入れて細胞を採取します。
痛みを伴う検査ですが、画像の検査では早期発見が難しいため、必ず細胞をとる検査を受けるようにしてください。
子宮体がんの発症リスク
未婚、不妊、閉経後、初婚や初回妊娠年齢が高い、妊娠や出産回数が少ない、月経不順、排卵障害、肥満などがあげられます。
子宮体がんは早期に発見・治療すれば治る可能性のある癌です。
不正出血は自己判断で放置せず、必ず婦人科の診察を受けましょう。
▼不正出血については、こちらの記事でもお話ししています
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