【生理不順の原因:早発閉経】〜妊娠が難しくなるので早めの診断を!〜
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「早発閉経(早発卵巣不全)」についてお話したいと思います。
早発閉経について
40歳未満で、ホルモンの数値が閉経レベルになっている場合は、「早発閉経(早発卵巣不全)」の可能性があります。
本来であれば、50歳前後で起こる閉経が40歳未満の若年者で起きてしまうのです。
40歳未満の女性の1%、30歳未満の女性の0.1%に発症するといわれています。
原因は、染色体・遺伝子異常、自己免疫疾患、医原性(何らかの病気の治療などによって発生するもの)などが知られています。
何ヶ月も生理が空いてしまうことがあれば、必ず婦人科でホルモン検査を受けてください。
治療について〜妊娠希望のある方〜
この病気は進行性のもので、卵胞が減少してしまっている状態です。
将来妊娠を希望している方については、この減少してしまった卵胞を再生する方法がないため、治療をしたとしても妊娠することが非常に難しい病気です。
妊娠が許される状況なのであれば、早い段階での妊娠を試みる、または早く卵子凍結をするなどの対応が必要です。
したがって、この病気を早期に発見することが非常に大切です。
生理不順は放置せず必ず婦人科を受診してください。
また、一度の検査で診断に至らないこともありますので、必要に応じて再検査を受けてください。
〜妊娠希望のない方〜
妊娠を希望していない方については、骨粗鬆症や動脈硬化などの予防のために50歳ころまではホルモン補充を行ってください。
「生理がなくて楽だから治療しなくていいです」という方がいらっしゃいますが、骨粗鬆症は知らないうちに進行していきます。
骨粗鬆症が原因で骨折し、寝たきり生活になることもあります。
また、動脈硬化が進行すると若くして心筋梗塞などにかかり、命にかかわることもあります。
もちろん女性ホルモンが低下することにより、見た目も衰えますし、性生活にも影響します。最低でも50歳近くなるまでは治療を継続しましょう。
生理不順の原因はさまざまです。
様子をみていいもの、すぐにでも治療を開始したほうがいいもの
自分で診断することは難しいため、必ず婦人科で検査を受けてください。
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