【子宮腺筋症】について
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「子宮腺筋症」についてお話したいと思います。
子宮腺筋症とは
子宮腺筋症は、本来子宮内腔にある「子宮内膜」に似た組織が子宮筋層内にでき、子宮筋層が厚くなる病気です。
子宮内膜に似た組織が子宮以外のところに発生したものを「子宮内膜症」、子宮筋層に発生したものを「子宮腺筋症」といい、別の病名となっています。
子宮腺筋症は日本人女性の平均20~30%に認められるといわれています。
子宮腺筋症の方の6~20%に子宮内膜症、64%に子宮筋腫を同時に認めます。
子宮腺筋症は経産婦に多く認められる病気です。
子宮内膜症や子宮筋腫は出産回数が増えると発症リスクが減少するので、子宮腺筋症とは対照的になります。
原因と症状について
原因は、子宮内膜症同様いまだ解明されていません。
症状は、出血、腹痛、不妊、流産、早産などがあげられます。
治療について
症状に応じた対処療法が中心となります。
止血剤や鎮痛薬、ピルやジェノゲスト、ミレーナなどのホルモン製剤が使用されます。
不妊症がある場合は、不妊治療を優先的に行います。
様々な治療を行っても症状が改善しない場合については手術療法が選択されることもあります。
しかし、手術の有効性や安全性はまだ確立されていない状態です。
子宮腺筋症は、早いうちに診断できれば、ホルモン剤の治療などで症状を改善することが期待できます。
年齢に関わらず、月経でお困りの場合は、婦人科で相談してください。
▼子宮内膜症についてはこちらの記事でお話ししています!
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