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はじめまして

アイルランドとイギリスの民俗音楽について、noteに記事を書こうと思ったきっかけをプロフィール代わりとして、ここに記しておきます。

(記事は全部で30以上になります。いつ見に来ていただいても、情報が新しいものであるように、こまめに精査・更新しています。「マガジン」にカテゴリー別にまとめていますので、ここから興味のあるものを探してくださいね。)

私は、5歳からヴァイオリンを始め、日本ではクラシックヴァイオリンを学びました。フィドル講師歴は20年になります。

フィドルは、ロンドンに2年半住んでいた間に、アイルランドとイギリス、スコットランドで、現地のフィドル教師達から直接学びました。ピート・クーパー先生をはじめ、教えを受けた先生方は、全員で20名ほどになります。

習った形式は、個人レッスン、または、グループレッスンです。レッスンでは、奏法はもちろんのこと、曲にまつわる逸話、奏者たち、歴史なども付随して学びました。曲だけ習って終わり、ということはまずなく、ときに一曲を習うのに、その倍の時間をかけて、そういったことを熱を入れて話される場合もありました。ひとつひとつの曲には辿ってきた道程がある、私は、そのことを強く心に留めました。

しかし、日本に帰ってみると、曲は単に曲、と扱われていたり、「~に違いない」「~だろう」といった当て推量もよく聞かれました。確かに、民俗伝統は、外の人間にとって分かりにくいことが多いです。

中には、私が現地では聞かなかった話もありました。例えば、「アイルランド音楽はケルトの時代から伝えられた2000年前の音楽」とか、「イングランドには伝統音楽は存在しない」といった明らかに間違った話もあれば、「ホイッスルやバグパイプはケルトの楽器」といった、ちょっと調べてみないと間違いが分からないような話も聞かれました。

私は、音楽史については、先ほど述べたように曲を習う際に口頭で学んだので、大まかだったり断片的だったりしました。だから、私自身、一度文献できちんと調べてまとめてみたいと思っていました。

先に、民俗音楽は部外者にとって分からないことが多い、と言いましたが、現地では19世紀後半から民俗音楽の存在が知識人の間で知られ始め、1950年頃から官主導で研究が本格化し、フォークリバイバル以降、民俗音楽に一般の関心が集まると研究もさらに進みました。近年では、ダブリン大学から『アイルランド音楽百科辞典 The Encyclopaedia of Music in Ireland 2013年』も出版されています。

学術的なことろでは、アイルランドのリムリック大学に伝統音楽の学部があり、日本にもアイルランドやイギリスの民俗音楽の研究者がいます。そういったところに尋ねるのも手です。インターネット時代の今、資料、論文、音源のアクセスも容易です。現地の先生のレッスンもオンラインで受けられます。

何が正しくて何が間違っているか、といったことも含め、分からないことはおそらく多くの人にとって、調べていないだけのことが大きいのではないでしょうか。なんでも「ケルト」で説明を済ませることから、もう一歩先に理解が進んでいって欲しいと思います。

最後に、私がnoteで自説を展開している、と思っている方がいるようですが、自分で考え出した説はありません。疑問に思ったことを調べ、それをまとめたものになります。みなさんと音楽の知識を共有できたらいいなと思います

(※ネットではwikiは使わないようにして、文献や論文、団体の公式HPなど、信用に足るものかどうかを確認して参照しています)。

私自身、実践的なことを大事にしながら、もっと音楽への理解を深めていきたいと思っています。

これからも、どうぞよろしくお願いします!

Happy Fiddling! 

Tamiko

フィドルを学びたい方へ」(レッスンなど)


トップ画像:私が編んだアイリッシュクロッシュレースです。アイルランドの女性たちが考案したモチーフをつなぎあわせてひとつの作品にするこうした方法は、編み物があまり得意でない人も製作に加わることができ共同作業を可能にしました。女性たちがレース編みで得た現金収入はアメリカ行きの費用になったといいます。こうした手編みのレースは、機械編みのレースが現れる19世紀末頃まで高級な襟飾りとなり、レディーたちの胸元を飾りました。


『アイルランド音楽百科辞典 The Encyclopaedia of Music in Ireland 』2013年ダブリン大学





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Tamiko/ フィドラー
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