再捜査 事件性なし 警視庁捜査1課 木原誠二衆議院議員 自民党 『解剖率が低ければ、犯罪発見ができない可能性は高くなります』 岩瀬博太郎 法医学教室 千葉大学 『犯罪死でないと考えられた場合でも、死因が明らかでない場合に解剖して死因を究明する制度があれば、一定の確率で見逃しは減るものと考える』 久保真一 法医学教室 福岡大学 日本 20231216

 2023.12.15、2006年、東京都文京区で死亡した男性(当時28歳)に関して、警視庁捜査1課は、事件性は認められないとする捜査結果を東京地方検察庁に送付しています。
 遺族が再捜査を求めて容疑者不詳の殺人容疑で告訴状を提出したのを受け、警視庁は改めて関係者から聴取しています。
 当時、男性の妻だった女性は現在、官房副長官を務めた木原誠二衆議院議員と結婚しています。
 死亡した男性は2006年4月に自宅で死亡しているのが発見されています。
 警視庁大塚署は捜査の結果、自殺と考えて矛盾はないと判断しています。
 その後、事件との情報により、2018年に再捜査をしています。

https://twitter.com/mainichi/status/1735876151447613740
毎日新聞
@mainichi
木原誠二氏妻の元夫死亡を巡る再捜査終結 「事件性認められず」
https://mainichi.jp/articles/20231216/k00/00m/040/083000c
2006年に東京都文京区で死亡した男性(当時28歳)について、警視庁捜査1課は、事件性は認められないとする捜査結果を東京地検に送付しました。
1:15PM 2023.12.16

https://mainichi.jp/articles/20231216/k00/00m/040/083000c
木原誠二氏妻の元夫死亡を巡る再捜査終結 「事件性認められず」 | 毎日新聞

https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?p=id%3Ashukan_bunshun+木原&ei=UTF-8&ifr=tl_sc
id:shukan_bunshun 木原

https://twitter.com/shukan_bunshun/status/1721287009858404805
週刊文春
@shukan_bunshun
【特集】ゼロからわかる「木原事件」徹底解説《遂に捜査再開へ》
7:02 AM Nov 6, 2023

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7273
【特集】ゼロからわかる「木原事件」徹底解説《遂に捜査再開へ》 | 週刊文春 電子版

https://www.youtube.com/watch?v=1JpEy0LIspQ
「地方公務員法違反になるのでは?」新聞記者からの質問に”木原事件”元取調官の佐藤誠氏が用意していた”驚きの反論”とは《イベント切り抜き動画》 - YouTube
Nov 9, 2023

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7525
【音声番組】木原事件 遺族が「新証拠を提出」佐藤誠氏が語る“他殺である決定的根拠”とは《取材記者が解説》 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7109
木原事件(10)本庄市の事件|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第10回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/articles/-/67528
《木原事件に新展開》木原誠二氏の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が「事件の真相解明」を求める署名活動を開始〈私たちは真実を知りたいのです〉 | 文春オンライン

https://bunshun.jp/articles/-/67479
《木原事件に新証拠》遺族が上申書を警視庁と検察庁に提出していた!《死体検案書には覚醒剤の血中濃度や傷の角度が…》 | 文春オンライン

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7511
《木原事件》遺族が新証拠提出「ためらい傷なし」「覚醒剤濃度」 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7108
木原事件(9)ドライブレコーダー|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第9回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7415
【動画番組】佐藤誠氏が激怒した…木原事件「捜査再開」遺族が初聴取に感じた“戸惑い”とは《取材記者が解説》 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7107
木原事件(8)ポリグラフ|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第8回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/articles/-/67134
《木原事件》ついに捜査再開! 捜査一課の刑事が遺族の聴取を行っていた「元取調官・佐藤誠氏についての質問も…」 | 文春オンライン

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7398
「元取調官と会った?」木原事件捜査再開でも遺族の困惑 佐藤誠氏は「直接聞きにくればいいだろ」 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7106
木原事件(7)ある写真|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第7回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7370
【動画番組】木原事件秘話「サトマコって知ってるか?」現役捜査員が記者に明かした“リアルな話” | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/articles/-/66952
「捜査のイロハを教えてやろうか」木原事件の元取調官が明かす、露木警察庁長官の「論理矛盾」とは | 文春オンライン

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7099
木原事件(6)取調室|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第6回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7317
【音声番組】「捜査と取材の違いを教えてやろうか?」記者が明かす“木原事件”佐藤誠氏の驚異的話術とは《元取調官の素顔》 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7264
【音声番組】「木原事件」佐藤誠元取調官が指摘する“露木長官の論理矛盾”と“安田さん遺族が失った権利”とは?《デスクが解説》 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7256
木原事件 元取調官が明かす露木警察庁長官の「論理矛盾」 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7061
木原事件(4)大塚署の怠慢|ホンボシ 木原事件「伝説の取調官」捜査秘録 第4回 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7218
【音声番組】告訴状が受理されたあと「頑張れ」と声をかけられ..."木原事件"捜査再開の日に起きたこと《取材記者が解説》 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/articles/-/66625
《速報》「木原事件」をめぐり警視庁大塚署が安田種雄さん遺族を呼び出し〈被疑者不詳の殺人〉告訴状を受理し、再捜査へ | 文春オンライン

https://bunshun.jp/articles/-/66436
《木原事件に重大局面》木原誠二氏の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族がついに刑事告訴へ!「今度こそ捜査を尽くし、犯人を見つけ出して」 | 文春オンライン

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6931
《組閣前夜スクープ撮》木原誠二“官邸の番人”“財界4重鎮”とホテル謀議 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/articles/-/65713
〈木原副長官、留任説が一転交代へ〉「オレはエッチをガマンできない」木原誠二官房副長官は違法風俗の常連だった! | 文春オンライン

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6608
妻の前夫“怪死事件”捜査の渦中に…木原誠二官房副長官は違法風俗の常連! | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6526
木原事件 妻の取調官〈捜査一課刑事〉実名告発18時間 木原は「俺が手を回したから」と妻に… | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6399
木原誠二官房副長官の噓を暴く“怪死”捜査音声160分 刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 | 週刊文春 電子版

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6178
“岸田最側近”木原誠二官房副長官 シンママ愛人に与えた特権生活《ディズニーデート撮》 | 週刊文春 電子版

https://kiharaseiji.com/profile
プロフィール | 自民党・衆議院議員 木原誠二 オフィシャルサイト
05年衆議院議員初当選。しかし、09年落選。
2012年12月衆議院復帰(2期目)、現在当選4期。
13年~14年に外務大臣政務官、15年~16年外務副大臣を務める。
17年~20年、岸田文雄政務調査会長の下、政務調査会副会長兼事務局長として、政府与党の政策立案のとりまとめを担う。
2018年度~2020年度の経済成長戦略、全世代型社会保障戦略、財政構造改革戦略の立案・とりまとめを担う。
20年10月~、衆議院内閣委員会委員長
21年10月~、内閣官房副長官(政務)、内閣総理大臣補佐官
22年08月~、(第二次岸田改造内閣)内閣官房副長官 留任
23年09月~、(第二次岸田再改造内閣)自民党幹事長代理・政調会長特別補佐
役職
議員連盟
日英友好議員連盟 事務局長
警備業の更なる発展を応援する議員連盟 事務総長
都市における農業を考える若手議員の会 世話人
内閣
元 内閣官房副長官(政務)
元 内閣総理大臣補佐官
元 外務副大臣
元 外務大臣政務官
衆議院
元 常任委員会
元 内閣委員長
元 議院運営委員会 理事
元 安全保障委員会 委員
特別委員会
元 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 委員
審査会
元 政治倫理審査会 幹事
自由民主党
自民党幹事長 代理
政調会長特別 補佐
元 デジタル社会推進本部 幹事長
元 競争政策調査会 幹事長
元 金融調査会 幹事長
元 政務調査会 副会長 兼 事務局長
元 国会対策委員会 副委員長
元 税制調査会 幹事
元 行政改革推進本部 事務局長
元 財務金融部会 副部会長
元 情報調査局長
生い立ち
2005年9月 第44回衆議院総選挙にて初当選(第1期)
2009年9月~2012年12月 第45回衆議院総選挙にて落選
政策研究大学院大学研究員
縄文アソシエイツ・コンサルタント
2012年12月 第46回衆議院総選挙にて当選(第2期)
2013年9月〜2014年9月 外務大臣政務官に就任
2014年12月 第47回衆議院総選挙にて当選(第3期)
2015年10月 外務副大臣に就任
2017年10月 第48回衆議院総選挙にて当選(第4期)
2020年10月 衆議院議員内閣委員長に就任
2021年10月 内閣官房副長官・内閣総理大臣補佐官に就任
第49回衆議院総選挙にて当選(第5期)
2022年8月 (第二次岸田改造内閣)内閣官房副長官 留任
2023年9月 (第二次岸田再改造内閣)自民党幹事長代理・政調会長特別補佐

https://www.jimin.jp/member/102102.html
衆議院議員 木原 誠二(きはら せいじ) | 議員 | 自由民主党
選挙区 東京都第20区
当選回数 5回
経歴
内閣官房副長官
衆議院内閣委員長
外務副大臣
外務政務官
議院運営委員会理事
党 政務調査会副会長兼事務局長
党 情報調査局長
党 行革本部事務局長

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_giinprof.nsf/html/profile/145.html
木原誠二君_衆議院
東京都新宿区に生る、東京大学法学部卒業、ロンドン大学LSE修士卒○財務省大臣官房課長補佐、英国大蔵省初代出向、平成十七年衆議院議員総選挙にて初当選○外務副大臣、外務大臣政務官○自民党国会対策委員会副委員長、税制調査会幹事、行政改革推進本部事務局長、金融調査会事務局長、財政・金融・証券関係団体委員長、財務金融部会部会長代理、観光立国調査会副会長、政務調査会副会長○衆議院内閣委員長、議院運営委員会理事、安全保障委員会理事、財務金融委員、厚生労働委員○著書「英国大蔵省から見た日本」文春新書○当選五回(44 46 47 48 49)

 2020.02.01遺書がないにも関わらず、埼玉県警察が内閣官房職員を自殺と断定した理由は、今のところ不明となっています。
 自殺の場合、解剖がなされない場合が多く、具体的な事実解明されないままになるものと判断されます。
 もし、自殺であるとすれば、どのような理由で自殺したのかを解明しなければ、今後もこうした自殺者が出ることが予測されます。

https://twitter.com/asahicom/status/1223584337666494464
朝日新聞デジタル
@asahicom
武漢からの帰国者支援した内閣官房職員、飛び降り自殺か
https://asahi.com/articles/ASN216STVN21UTNB007.html
帰国した日本人が滞在する埼玉県和光市の国立保健医療科学院で、帰国者の受け入れ業務を担当していた内閣官房職員の男性(37)が死亡した、と県警が明らかにした。飛び降りた可能性が高いとみて調べている。
9:30 PM · Feb 1, 2020

https://www.asahi.com/articles/ASN216STVN21UTNB007.html
武漢からの帰国者支援した内閣官房職員、飛び降り自殺か:朝日新聞デジタル

https://www.niph.go.jp/
国立保健医療科学院

 死因究明の仕組みである監察医制度は、特定の地域(東京23区、大阪市、神戸市、名古屋市)でしか施行されておらず、それ以外の監察医制度非施行地域は、監察医が死体検案を行っていません。
 この場合、たとえ犯罪であっても、現場の警察の判断によって事故死、自殺、病死と判断されれば、解剖されることはなく、その犯罪が明らかになることはありません。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0312-8c_0055.pdf
PDF
監察医制度の概要について
③ 監察医を置くべき地域
東京23区内、横浜市、名古屋市、大阪市及び神戸市(設置主体は都府県であり、自治事務)

http://www.shiga-med.ac.jp/~hqlegal/kaibou.html
<法医解剖と監察医制度>
司法解剖
犯罪性がある、或いはその疑いがあるときに行われる。『刑事訴訟法』(第168条)に基づき、検察官あるいは警察官の嘱託により、裁判所の発行する鑑定処分許可状が得て行われる。
結果は鑑定書として嘱託者に報告される。
行政解剖(承諾解剖)
犯罪性はないが、死因を究明する目的で行われる解剖。『死体解剖保存法』に基づき、遺族の承諾のもとに行われる。
監察医制度施行地域では、監察医が死体検案を行い、必要な場合は解剖(行政解剖)が行われる。この場合は遺族の承諾がなくても行うことができる。多くの地域は監察医制度非施行地域であるため、遺族の承諾のもとに、死因を究明する承諾解剖が行われる。
監察医制度
特定の地域(東京23区、大阪市、神戸市)では監察医をおき、異状死体外部リンクの検案を行う。検案によっても死因が判明しない場合は、解剖させることができる(行政解剖)。

 上記は、日本国内における一般的な考えであり、下記の指摘では、司法解剖という言葉さえ、法律上は存在していません。

http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/houi/suggestion/suggestion-3.html
Vol. 3 司法解剖の定義再考 | 千葉大学附属法医学教育研究センター Education and Research Center of Legal Medicine
そもそも、法律上、司法解剖という言葉は存在しない。ましてや、犯罪が疑われない場合には司法解剖が選択できないという記載もない。一般に司法解剖と呼ばれている解剖は、「警察または検察の嘱託により行われ、国が経費を支払う解剖」という要件を満たす解剖を意味している。

 解剖率の全国平均は2012年の11%から2018年の12%となっています。
 26府県においては、この10年で一度も10%に達していません。

https://twitter.com/asahi/status/1170299702757081088
朝日新聞(asahi shimbun)
@asahi
死因究明の解剖率に地域格差 神奈川41%、広島は1%
https://www.asahi.com/articles/ASM8Z76KMM8ZULBJ00P.html
死因究明の解剖率に地域格差 神奈川41%、広島は1%:朝日新聞デジタル
 犯罪が疑われたり、死因がわからなかったりして、警察が扱った遺体で、解剖される割合の地域格差が広がっている。解剖率の向上をねらって、政府は6年前に解剖の新制度をつくったが、解剖医や予算の不足などから、…
8:36 PM Sep 7, 2019

https://www.asahi.com/articles/ASM8Z76KMM8ZULBJ00P.html
死因究明の解剖率に地域格差 神奈川41%、広島は1%:朝日新聞デジタル

 以上から、日本の犯罪発生率の低さは、実際には、犯罪が発生しているが、犯罪が発生していないとの恣意的判断によって実現しているものと判断されます。
 最大の問題は、解剖する以前に犯罪の有無を判断している点にあります。
 本来であれば、犯罪の有無を判断するためには、まずは、医学の専門家による解剖を行い、医学的な判断に基づいて、その犯罪性の有無を判断する必要があります。
 こうした問題の背景には、大日本帝国憲法下において官憲が、恣意的に犯罪の有無を判断できるようにするために、解剖によって事実が露見することを避ける目的があったものと判断されます。
 これには、官憲が犯罪者を逮捕し、拷問し死亡させた場合であっても、官憲の判断で事故死、自殺、病死とすることを可能とする目的も含まれます。

https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000171009
以下の出来事に関する新聞記事を探しています。
①小林多喜二取り調べ中に死亡(1933年2月)
新聞タイトル:朝日新聞. [東京] (当時の題号は『東京朝日新聞』)
資料形態:マイクロフィルム
掲載日・掲載箇所・記事見出し:
1933年2月22日・夕刊2頁・「小林多喜二氏 築地署で急逝 街頭連絡中捕はる」
1933年2月22日・朝刊11面・「相次ぐ急死 左翼に大衝動 小林多喜二問題に作家同盟 警察側に抗議せん」「老母半狂亂 病院で涙の對面 母思ひだつた小林」

 こうした目的のために、解剖に関して事前の犯罪の有無の判断が方便として用いられ、それが暗黙の了解となって今に至ったのではないかと推察することが可能です。
 もちろん明治初期の医学における技術水準や人員の問題で解剖が実施不可能であった時期もあったとは考えられますが、その後、日本の医学の技術水準の向上や人員が増加しても、改善されていません。
 日本では、刃物などによる刺殺か、鈍器による出血を大量に伴う撲殺など、一見して犯罪行為が確認できる場合を除けば、多くは事故死、自殺、病死として片付けられてしまう可能性が高いと判断できます。
 こうした問題は、小泉政権時代に取り上げられていますが、提案は退けられています。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a159104.htm
平成十六年五月十九日提出
質問第一〇四号
検視、検案、司法解剖等に関する質問主意書

そもそも、法医解剖を司法解剖と行政解剖に分類している国はほとんどない。行政解剖の結果犯罪の疑いが現れることもあり、犯罪可能性の有無によって、二種に分類するという制度自体、本末転倒であると言わざるを得ない。今後、法医解剖の制度を改めるため、検討する考えはあるか。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b159104.htm
平成十六年六月二十九日受領
答弁第一〇四号
内閣衆質一五九第一〇四号
平成十六年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
六について
刑事訴訟法に規定する手続以外の手続により行われた解剖において、当該死体につき犯罪と関係のある異常が認められたときは、死体解剖保存法(昭和二十四年法律第二百四号)第十一条により、死体を解剖した者は、二十四時間以内に解剖をした地の警察署長に届け出なければならないこととされ、これにより捜査機関への情報提供がなされ、適正な捜査活動の開始が期待されることから、刑事訴訟法に規定する解剖とそれ以外の解剖とが制度上区別されていることによる特段の弊害はないと考えている。

 2013年には、死因・身元調査法(調査法)が施行されましたが、その判断は、警察署長に任されています。
 医学の専門家ではない警察署長に、こうした判断が可能であるとする考え方そのものが、この制度の利用を阻害しています。
 そもそも警察署長は、その管轄地域において犯罪の発生が低いことで、その評価が高まります。
 こうした場合、犯罪発生を証明するために、積極的に解剖を判断するインセンティブが警察署長には一切発生しません。
 一方で、自分の評価を高めるために犯罪が発生していないと判断する高いインセンティブが警察署長には発生します。
 これらを勘案すれば、死因・身元調査法(調査法)が機能不全となることは避けられません。
 この法律を考案した官僚の方々は、この法律が機能不全になることを了解した上で、もしくは意図的に、解剖に際し警察署長の判断を条件にしたと判断されます。
 もし、この法律を考案した官僚の方々が、機能不全になることを了解せず、もしくは意図的でなかったとすれば、その官僚の方々には法律を考案する能力が大幅に欠如していると判断されます。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=424AC1000000034
警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律 (平成二十四年法律第三十四号)
第六条
警察署長は、取扱死体について、第三項に規定する法人又は機関に所属する医師その他法医学に関する専門的な知識経験を有する者の意見を聴き、死因を明らかにするため特に必要があると認めるときは、解剖を実施することができる。この場合において、当該解剖は、医師に行わせるものとする。

 筧千佐子被告による青酸連続殺人では、被害者とされる交際相手ら8人のうち6人については、司法解剖が行われていません。
 これに関して、専門家らは、日本のシステムの欠陥だと指摘しています。
 また、国内での解剖率の低さは、殺人犯が逃げおおせていることを意味する可能性もあるとしています。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/7652
青酸連続殺人・筧被告「死刑と言われるの嫌なの」 二審判決前に|社会|地域のニュース|京都新聞

 海外の事例と比較すると日本における解剖の割合が、非常に低いことがわかります。
 警察庁の統計によれば、2014年に死因不明の『異状死』のうち、解剖に回されたのは、わずか11.7%となっています。
 イギリスのイングランド(England)とウェールズ(Wales)で2014年、解剖が行われた割合は40%、スウェーデンでは95%となっています。
 日本法医学会(Japanese Society of Legal Medicine)は、47都道府県中20県で、司法解剖を担う教授が1人しかいないとしています。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 千葉大学(Chiba University)法医学教室の岩瀬博太郎(Hirotaro Iwase)教授は、『解剖率が低ければ、犯罪発見ができない可能性は高くなります』としています。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 岩瀬博太郎教授は、長年この問題に取り組んでいます。

https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I033159486-00
死因・身元調査法施行10年 : わが国の死因究明制度は変わったか (日本医事新報社): 2023-11-11|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
死因・身元調査法施行10年 : わが国の死因究明制度は変わったか
石原 憲治,岩瀬 博太郎
詳細情報
タイトル 死因・身元調査法施行10年 : わが国の死因究明制度は変わったか
著者 石原 憲治
著者 岩瀬 博太郎
出版地(国名コード) JP
出版地 東京
出版社 日本医事新報社
出版年月日等 (5194):2023.11.11

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334038335
死体は今日も泣いている日本の「死因」はウソだらけ
岩瀬博太郎 著
第1章 検死はこうして行われる
1-1法医学者は何を見ているのか
1-2死体が教えてくれること
1-3あっさり下された「病死」診断が招いた連続殺人
首都圏連続不審死・婚活詐欺(木嶋香苗)事件
岩瀬博太郎
1967年千葉県生まれ。千葉大学大学院教授、解剖医。東京大学医学部卒業、同大学法医学教室を経て2003年より現職。2014年より東京大学法医学講座も兼務。日本法医学会理事。内閣府「死因究明等推進計画検討会」委員。年間300体以上の司法解剖を行いながら、警察庁・厚生労働省等の政府機関に、死因究明制度改革の必要性を訴えかけている。著書に『焼かれる前に語れ』『法医学者、死者と語る』(ともにWAVE出版)がある。

https://iss.ndl.go.jp/books?ar=4e1f&any=岩瀬博太郎&op_id=1&display=&sort=ud
岩瀬博太郎|国立国会図書館サーチ

 実際に、死因究明のための解剖が行われなかったために警察は、犯罪を立証する機会を失っています。
 筧千佐子被告の事件では、警察は当初、筧千佐子被告の交際相手を病死と判断しています。
 夫の筧勇夫(Isao Kakehi)さん(当時75)の遺体から青酸化合物が検出されて初めて筧千佐子被告を逮捕しています。
 その後、筧千佐子被告の以前の交際相手の死から同じパターンが判明しています。
 筧千佐子被告は、殺人罪3件と強盗殺人未遂罪1件で起訴されています。
 警察はほかの4件についても捜査していますが、起訴できるだけの十分な証拠を見つけられていません。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 経済協力開発機構(OECD)が2015年に発表した統計によると、人口10万人当たりの殺人件数を示す殺人率が、日本ではわずか0.3%となっています。
 これに対し、アメリカ5.2%、フランス0.6%、ドイツ0.5%となっています。
 警察によると、日本では2015年、殺人は未遂も含め933件発生しています。
 殺人件数は、2004年から減少傾向にあるとしています。
 しかし、殺人件数の低さは、解剖率の低さが、本当の数字を隠している可能性があると、専門家は指摘しています。
 解剖率の低さが、殺人件数の低さを反映しているものと判断されます。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 福岡大学(Fukuoka University)法医学教室の久保真一(Shinichi Kubo)教授は、『犯罪死でないと考えられた場合でも、死因が明らかでない場合に解剖して死因を究明する制度があれば、一定の確率で見逃しは減るものと考える』としています。
  常磐大学(Tokiwa University)大学院の諸澤英道(Hidemichi Morosawa)教授(当時)は、問題の一端は大きな負担が強いられるために、警察が殺人事件にしたくないことにあるのではとしています。
 犯罪を特定する機会を増やすためにも、警察は『できるだけ解剖するというのが基本原則だと思う』としています。

https://www.afpbb.com/articles/-/3077947
司法解剖率低い日本、犯罪死見逃す要因か 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

https://www.med.fukuoka-u.ac.jp/forensic/greeting.html
福岡大学「福岡大学医学部法医学教室」公式サイト │ ご挨拶
教授 久保 真一

https://www.seibundoh.co.jp/pub/search/001724.html
成文堂 出版部|書籍詳細:被害者のための正義は日本においてどう実現されるべきか
常磐大学国際被害者学研究所
被害者のための正義は日本においてどう実現されるべきか
常磐大学国際被害者学研究所開設記念 第1回シンポジウム報告書 2003年10月2日
諸澤英道、冨田信穗、ジョン・ドゥーシッチ 編
発 行 : 2004年3月30日
税込定価 : 1,650円(本体1,500円)
判 型 : A5判並製
ページ数 : 128頁
ISBN : 4-7923-9123-7

 以上のような日本の現状を考えると、今回の自殺とする警視庁捜査1課、埼玉県警察の見解も疑わしいものと判断されます。
『自殺』、もしくは『犯罪』であることが問題の本質ではなく、『必要な解剖、調査をした上で、医学的な根拠に基づき結論を出していない』ことが問題であると判断されます。
 死亡時の解剖が基本原則となれば、犯罪の有無にかかわらず、日本人の死因を厳密に突き止めることも可能となります。
 これによって、さまざまな疾病や事故への対策が可能となり、国民の健康と安全に大きく寄与することになります。
 医学の専門家による科学的根拠に基づく死亡時の『解剖』は、民主主義の法治国家として、また、科学技術立国として日本が取り組むべきものであると判断されます。
 2021.10.08自民党の岸田文雄首相は、『まず、成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現です』としています。

https://www.youtube.com/watch?v=r9uXK6axxJs&t=720
【国会中継】衆院本会議 岸田首相が初の所信表明演説(2021年10月8日) - YouTube

https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/statement/2021/1008shoshinhyomei.html
令和3年10月8日 第二百五回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ
 まず、成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現です。

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202201/1421221_00004.html
第1部 我が国の研究力 ~科学技術立国の実現~:文部科学省
〈岸田内閣の成長戦略の柱 ~科学技術・イノベーション~〉
 岸田内閣総理大臣の下、政府では「成長と分配の好循環」をコンセプトに「新しい資本主義」の実現を目指しています。成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組むとともに、成長の果実を、しっかりと分配することで、次の成長を実現するものです。「成長も、分配も」実現するため、あらゆる政策を総動員します。
 「新しい資本主義」実現のための成長戦略について、岸田総理大臣は、令和3年10月の所信表明演説で、「成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現」であることを表明しました。また、分配戦略について、「人への投資の抜本強化」を柱に据えています。
 「新しい資本主義」、「科学技術立国」の実現に向け、科学技術分野の人材育成、世界最高水準の研究大学を形成するための大学ファンドや先端科学技術への大胆な投資、スタートアップへの徹底支援などを推進します。

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記事を読んでいただきありがとうございます。 様々な現象を取り上げ、その現象がどのように連鎖反応を誘発し、その影響がいかに波及するかを検証、分析していきます。 皆様のお役に立てればと考えております。 応援のほど、よろしくお願いいたします。