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逃走を図ったおふせリンゴの行く末
こんにちは。幽玄会社の食料他給センターです。
今回の投稿は、10月22日と10月23日に発生した”リンゴの流れ”について書こうと思います。まずここでいうリンゴとは”おふせリンゴ”です。それは長野県のKさんからリンゴを5キロ頂くことから始まります。
この記事の要約を書くと、「リンゴを長野県のKさんから頂くという出来事が起こり、Kさんにイベント参加者の方々にお裾分けしてもいいですか?と聞いたら快諾されたよ」という内容でした。いやーありがたい他給の流れ😊
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さて、イベント参加者に….と言ったものの、おふせリンゴは少し違う挙動を見せました。
イベント3日前、食料他給センター員によくなりすまして遊んでいる三浦が大分・由布院の方とお会いしていました。その方はカフェ・ギャラリーの経営をされているのですが、以前、三浦のパートナーがジュエリーの展示をギャラリーでさせて頂くということが起こりました。23年4月のことです。
それから三浦は由布院によく通うようになったのですが、カフェ・ギャラリーの方と最近はお会いしていませんでした。三浦がイベント2日前に登壇する時に使うスライドを作っていると、23年4月にそこで行わせてもらったパフォーマンスのことを突然思い出し、その方にお礼のメッセージをしました。
次の日の早朝に連絡が返ってきたのですが、なんと偶然、その由布院の方が京都の方に滞在されていることがわかりました。ただ、その日に帰るようです。そのような内容の返信をもらって、三浦は「30分でも空きがあれば、お茶しましょう!」と打診しました。すると、しばらく経ってから、「調整できました!」と返事が返ってきました。15時に京都の鴨川カフェに行き、お茶をすることになりました。
このカフェに向かう直前、三浦はおもむろに流れを感じます。リンゴを贈らねばならない…!! という流れです。三浦の思考内では、「イベント参加者に配る」という幽玄会社のリクエストにOKを出していましたので、その流れがわいた瞬間に「どうしよう」という葛藤が小さく生まれました。しかし、身体に感覚の波が起こった時には抗えません。その流れに委ね、三浦は滞在先に置いていたリンゴを取りに行き、そのリンゴを携えてカフェに行きました。
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お話の後、少しの時間でも話せてよかった!と喜びあった後、解散したのですが、解散間際にリンゴを渡しました。特に言葉で「お布施です」という言葉を使っていないのですが、相手に「おお、お布施だ」と言われたことに三浦は面白いと思ったようです。どういうふうな流れになる時に「おふせ」というラベルがつき、”おふせ化”するのかは幽玄会社としても研究のしがいがあります。そもそも今回のものを”おふせリンゴ”と呼んでいる時点で、おふせという属性が乗っかっているのですが、その認知が生まれること自体、どういうことなんでしょうね。
やはり、今回大きな要素だと思うのは、三浦自身が一度”受け取ってしまった”感を大きく感じていることは重要なのではないか?と幽玄会社側は考えています。”被贈与感”と言い換えてもいいかもしれません。受け取ったから、流すという流れの変遷を見て取ることができそうです。
さて、リンゴが1つ減りました。リンゴは新幹線で運ばれて、大分に高速移動していったことでしょう。三浦の手元にあっても高速移動までは経験させることができませんでしたので、由布院の方に持っていっていただけたことは大変有意義だったのではないかと思います。リンゴは手元から無くなりましたが、愉快な経験は増えました。ありがとうございます。(その後、リンゴがどうなったのかはわかりません。Good Bye! )
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さて、次の日は食料他給センターが活躍した1日です。夜に幽玄会社の共催のイベントを実施することになっておりました。イベント用のリンゴが高速振動しているように見えます。少しでもツンとつつくと、ヒュン!!!とリンゴが高速でどこかに流れていくイメージが生じます。
しかし、予定通り物事は展開しないということを経験することになります。
この日、もともと三浦が他給センタースタッフの一人になりすまし、リンゴを預かっていました。三浦が滞在場所を外出した時には、リンゴが6個ありました。しかし、イベント会場に到着したのは5個です。
イベント会場の多聞に行く前、三浦はお気に入りのカフェで作業をしていました。そのカフェで「とあること」が起こります。
※ちなみに、そのカフェはカフェ・コチさんです。三浦が京都で一番好きなカフェです。
2ヶ月前にカフェ・コチさんに行った時に、お店の方々と三浦の間で少しばかり話す時間が生まれました。それから2ヶ月ほど経ち、イベントの日です。彼はスライド作成をしていたのですが、店員さんの1人に、「この前も来てくださっていましたよね?」と話しかけてもらったのです。
もうそろそろ会場の多聞さんに行こうかな?と思い、三浦は席を立ったのですが、会計時に”とある女性”が相手をしてくれます。
その女性に「京都に住んでいるのではなかったですよね。今回、京都にいらしてたんですね」と言われました。
そこからほんの少し話をしました。多聞さんでその日にイベントをすることになっていたことや、次の日に大阪のお寺でイベントをする予定になっていたこと、そして、「贈与」などのテーマに関心があることを話しました。
こちらからもその女性の話を聞いてみると、その方が実は店主さんだったのです。(ご夫婦でカフェコチを19年前に開業されたとのことです。)
三浦がカフェコチに通い始めたのは、13〜14年ほど前で、そこは彼が京都で一番好きなカフェなのですが、 通い始めて10年ほど経って初めてご夫婦でカフェコチを始められたこと、もうそろそろ20周年になることを知りました。店主の女性とinstagramで繋がり、カフェコチが好きであることを伝え、なんとも幸せな気持ちになりました。
その結果、です。そうです。他給センター員(なりすまし)の彼は配送業に難を抱えています。決めていたことが変わってしまいます。いい気分になった彼は、持ってきていたリンゴを見た瞬間、流れを感じました。リンゴに手が伸び、止められなくなります。「おい、イベントに持って行かなくていいのか?」と尋ねましたが、「これも大事なイベント(出来事)だ」と返されてしまい、そのリンゴはカフェ・コチさんの方に渡っていきました。(受け取ってくださり、ありがとうございます!)
その時にもその女性から「お布施だ。ありがとうございます」という反応が返ってきました。そして、キッチンの中にいる方々にリンゴが報告され、巡っていきました。そのリンゴがどうなったかはわかりませんが、まぁ、たぶんいい感じに楽しんでもらえたのではないでしょうか?様々な幸せな時間を13年前から頂いてきたことへのお返しにしては随分小さなものですが、受け取ってもらえたことも幸せのかたちの一つだと思います。
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多聞さんのイベントでは、食料他給センターのスタッフが急増するという事態になりました。食料他給センターは常に形がかわるものです。センターと言っているからといって、どこかの場所が存在しているわけでもありません。いろんな人と分かち持つ少しの間に存在しています。今回、10月22日のイベントでは、三浦がりんごを運んでいきました。そこで、多聞のスタッフの方にりんごの皮剥きを改めてお願いしました。(事前にお願いしてもよいか聞いておりました。)他給の流れをつくる役割が増えました。食料他給センターの皮剥き部門、部門長の誕生です。なんでもかんでも部門になりますからね、幽玄会社は。部門長(=多聞のスタッフの方が快くリンゴの皮を剥いてくれているだけです)によって、次々にリンゴが剥かれていきました。
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部門長はリンゴを剥く前、「あんまりリンゴを剥いたことがないです」と言っていて少しだけ不安げでしたが、5個のリンゴを剥き終わった後には「剥けるようになりました」と言っていました。他給センターはスキルの獲得支援を行っています。リスキリングの場としてもご活用ください。
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はい。ちなみに、違う他給センターも生まれました。今回、イベントを行うにあたり、参加者の方々の飲み物代を事前に幽玄会社・会計部に臨時スタッフとしてジョインした三浦がSNSでお金を集めました。食料他給センターはお金を扱うことには長けていませんので、お金には触らず、テンプルの会計部から飲み物代を多聞さんにお渡ししました。こうして、多聞さん全スタッフを他給センターに招き入れ、参加者の方々のオーダーに応じて飲み物を提供して下さいました。(=多聞のスタッフの皆様が快く飲み物を作り、提供して下さっているだけです)ありがとうございます。
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他給ムーブが各所で発生しております。ビバ・自然の恵み。
かき部門担当?ごうさん、ありがとうございます!
参加者の方々に他給センターの流れをつなげることができたことを嬉しく思います😆
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ちなみに余談なのですが、りんごやかきを並べると、心の中に「これはお供物だー」という感覚が生まれました。不思議ですね。これらのリンゴたちは、イベントの場に持っていく前にお経をあげてお供えしました。そこからのお下がりが勢いよく出ていったわけです。
結局のところ、22日のイベント中に、何度も他給センターの流れが起こり、持っていった全てのリンゴを流していくことができました。場に集った皆さんで一緒に食べることができ、素敵な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
勢いよく流れていくのはいいですね。”おふせ”という言葉を使う背景にいろんな身体感覚があるということを今一度知ることができた1日となりました。
イベント終了時点で、余っているリンゴはあと6個です。次の日、4個のリンゴが勢いよく流れていくことになります。舞台は大阪のお寺・應典院の芸術祭内で行われたトークイベントです。
そちらでのリンゴの流れは次のnoteに執筆しました。
クレジット
リンゴ:自然の恵み/自然農園 冨岡
リンゴ購入:小布施のKさん
写真:okamoto daiki
文章:(ゆ)白洲詠人
会場:多聞
イベント企画:多聞・幽玄会社テンプル
ちなみに、写真を撮って下さった okamoto daiki さんはこんな活動もされています。
深夜喫茶/ホール 多聞にも、ぜひ足を運んでみてください✨
おわり。